目次
はじめに——健康コーポレーションのころから持っている会社

この会社の旧商号は、健康コーポレーションである。2016年7月にRIZAPグループへ変わった。名前が似ているケンコーコムは、別の会社だ。あちらは東証マザーズに上場していた健康食品・医薬品の通販で、2012年に楽天が過半を取得した。
この会社を、私は健康コーポレーションと呼ばれていたころから持っている。2024年にも買い直した。2025年3月に優待のchocoZAP枠が無料から半額に変わったのも、株主として見ている。
株主優待には、chocoZAPの月会費(2,980円、税込3,278円)が半額になる枠がある。以前の記事で、私はこの優待を楽天モバイルと並べて「固定費削減系」に分類し、「費用対効果が抜群」と書いた。
ただし、半額で申し込んだのは私ではない。家族が試してみたいと言ったので、優待の権利を使って半年分を申し込んだ。家族は半年で辞めた。
理由は、次のようなことだったという。自宅で着替えてから店へ行かなければいけない。店に着替えスペースがない。自転車置き場がない。備品や器具が壊れていることが多い。女性専用エリアに男性がいることが多かった。
まだまだ運用上の課題は山積している。今後の改善に期待したい。
2026年8月14日、RIZAPグループは2027年3月期第1四半期決算短信を開示した。
売上収益369億10百万円、前年同期比7.5%減。営業利益7億90百万円、前年同期比93.4%増。そして親会社の所有者に帰属する四半期利益が1億35百万円となり、会社の言葉で「5期ぶりに最終利益が黒字」になった。
見出しになる材料も揃っている。chocoZAPは2026年7月17日に2,000店舗を突破し、会員数は8月13日時点で116.7万人になった。
ところが、そのchocoZAPが入っているヘルスケア・美容セグメントは、営業利益が40.1%減っている。
営業利益を増やしたのは、どこか
本シリーズは、1階(収益基盤)・2階(成長エンジン)・3階(将来オプション)という3層で会社を読む。
RIZAPグループの報告セグメントは「ヘルスケア・美容」「ライフスタイル」「インベストメント」の3つで、数のうえでは3階建てにぴったり見える。だが中身を開けると、これは事業のライフステージではなく業種の分類である。そのままでは階に載らない。
この記事の仕事は、会社の開示区分を事業の性質で1〜3階に組み替えることだ。
そこで本稿の問いを置く。
営業利益を382百万円増やしたのは、どこか。
先に結論を書く。RIZAP本体ではない。 ただし正確に言うと、RIZAP本体が赤字なのではない。 会社の管理区分では、RIZAP関連事業もこの四半期に517百万円の営業黒字を出している。減ったのである(740→517)。増やしたほうが、トレーディングカードとクレーンゲームとリユースと高級時計と保育・介護だった。
なおchocoZAP単体の売上も利益も、短信にも決算補足資料にも出てこない。 本稿が扱えるのは、chocoZAPを含む「RIZAP関連事業」と「ヘルスケア・美容セグメント」までである。
会社自身のブリッジは、こう書いている。RIZAP株式会社(chocoZAP含む)が△222百万円、その他の既存事業が増益+917百万円と減益△334百万円で差引+583百万円、その他+21百万円。 足すと+382で、営業利益は408から790へ動く。増益は、社名になっている本体の外から来た。
階の話は、そのあとでする。本稿は国内のchocoZAPとRIZAPを1階に置く。ただし階ごとの金額は出せない——海外とFCを2階に置く一方、その損益はヘルスケア・美容セグメントの中に埋もれているからだ。だから本稿は「2階が1階を支えた」とは書かない。書けるのは、増益がRIZAP本体の外から来た、というところまでである。
その組み替えを、決算短信と決算補足資料の数字で進める。
会社の輪郭——3つのセグメントは、事業のライフステージではない

RIZAPグループ株式会社は、旧商号を健康コーポレーションといった会社である。2016年7月にいまの社名へ変わった。コンビニジム「chocoZAP」とパーソナルトレーニングジム「RIZAP」を中核に、小売・リユース・アパレル・雑貨・保育・介護までを傘下に持つ持株会社である。証券コード2928。上場市場は札幌証券取引所アンビシャス市場で、決算期は3月、会計基準はIFRSを採用している。
大株主の骨格は、創業家側が長いあいだ握っている。札幌証券取引所の会社説明資料(2025年6月27日付)では、CBM株式会社 29.73%、瀬戸健 20.35%、SOMPOホールディングス 4.87%である。健康コーポレーション時代に、外部の事業会社が上場会社本体へ大きく入った一次は、本稿では確認できていない。確認できる大きな外部資本は、2024年6月のSOMPOである。
報告セグメントは3つ。決算短信の注記に、そのまま定義が書かれている。
| 報告セグメント | 会社の定義(短信注記) |
|---|---|
| ヘルスケア・美容 | コンビニジム「chocoZAP」、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」を始めとするRIZAP関連事業の運営、体型補整用下着、美容関連用品・化粧品・健康食品の販売等 |
| ライフスタイル | エンターテイメント商品等の小売及びリユース事業の店舗運営、インテリア雑貨、アパレル及びアパレル雑貨の企画・開発・製造及び販売等 |
| インベストメント | グループ会社間でのシナジーを支える機能会社群として安定的な収益創出を目指す事業 |
読んで分かるとおり、これは何を売っているかによる区分である。育てている事業と稼いでいる事業を分ける線ではない。
だから本稿では、階を別に引く。
本記事の1階・2階・3階の区分は、当ブログが事業の性質から独自に整理したものであり、RIZAPグループが開示している報告セグメントの区分とは一致しません。会社がなぜこの3区分を採用しているかを推測するものでもありません。
1階は、いま利益の大半を生んでいる成熟した本業。2階は、1階とは別の収益領域で、すでに数字が出ていて伸びているもの。3階は、まだ収益になっておらず、既存事業の延長でもない将来オプションである。
どのセグメントも、過半を持っていない
まず連結を見る。単位は百万円、増減率は対前年同四半期である。
| 項目 | 2027/3期Q1 | 2026/3期Q1 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 36,910 | 39,915 | △7.5% |
| 売上総利益 | 16,888 | 18,823 | △1,935 |
| 販売費及び一般管理費 | 16,357 | 18,671 | △2,314 |
| 営業利益 | 790 | 408 | +93.4% |
| 税引前四半期利益 | 259 | △166 | — |
| 四半期利益 | 380 | △4,212 | — |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 135 | △5,945 | — |
| 基本的1株当たり四半期利益 | 0.23円 | △9.97円 | — |
減収で、営業利益は約2倍。最終損益は5,945百万円の損失から135百万円の黒字へ振れた。
次にセグメント別を見る。
| セグメント | 売上収益 | 前年同期 | 増減率 | 営業利益 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘルスケア・美容 | 15,310 | 16,312 | △6.1% | 457 | 764 | △40.1% |
| ライフスタイル | 16,448 | 17,904 | △8.1% | 539 | 198 | +172.2% |
| インベストメント | 5,458 | 5,852 | △6.7% | 291 | 87 | +234.4% |
| セグメント計(会社開示) | 37,217 | 40,070 | — | 1,288 | 1,051 | — |
| 調整額 | △307 | △154 | — | △497 | △642 | — |
| 連結 | 36,910 | 39,915 | △7.5% | 790 | 408 | +93.4% |
3セグメントとも減収である。全社も減収である。それでも営業利益は2倍近い。
そしてもう一つ、目に留まる点がある。売上でも利益でも、過半を持っているセグメントが一つもない。 売上はライフスタイルが44.2%、ヘルスケア・美容が41.1%、インベストメントが14.7%。セグメント利益はライフスタイル41.8%、ヘルスケア・美容35.5%、インベストメント22.6%である(いずれもセグメント計に対する当方の計算)。
会社が「主力事業」と呼び、社名にもなっているRIZAP関連の事業が、売上でも利益でも最大ではない。この四半期、躯体は利益で抜かれている。
利益がいちばん大きい事業を、そのまま1階にはしない
ここで階の置き方を決めておく。本シリーズの1階の定義には「いま利益の大半」と「成熟した本業」の両方が入っていて、通常は一致する。この会社では一致しない。
- 「いま利益の大半」で機械的に当てると、1階はライフスタイル(539)になる。ヘルスケア・美容(457)は2階に落ちる
- しかしこの会社の躯体は、社名になっているRIZAP関連事業である。旧商号は健康コーポレーション。健康食品・化粧品から始まり、パーソナルジムのRIZAP、そしてchocoZAPへと続く一本の線が、この会社の歴史的・構造的な本業だ
本シリーズは第9回(楽天グループ)で、この食い違いの扱いを決めている。1階には歴史的・構造的な躯体を置く。利益で躯体を逆転した領域は2階に置き、その逆転を記事の発見として書く。 楽天は1階=インターネット(EC)、2階=フィンテック(利益で逆転)だった。
だから本稿はこう置く。
| 階 | 中身 | 理由 |
|---|---|---|
| 1階 | ヘルスケア・美容のうち、国内直営の chocoZAP・RIZAP と健康食品・化粧品 | 社名になっている躯体 |
| 2階 | ライフスタイル、インベストメント、そしてヘルスケア・美容の中にある海外とFC | いずれも4つの確認で3つ以上を満たす |
| 3階 | なし | 未収益かつ別産業へ、という開示は無い |
🔴 ここで定量の限界を先に書いておく。 海外とFCは報告セグメント上ヘルスケア・美容に含まれていて、売上も利益も分離できない。 つまり階ごとの金額は、この開示からは出せない。
本稿がこのあと使う数字は、階の額ではなくセグメントの額である。ヘルスケア・美容457/前年差△307、ライフスタイル+インベストメント830/+545。前者には2階に置いた海外・FCが混ざっており、後者はそれを含まない。 だから「1階が◯◯、2階が△△」という金額の比較は、本稿では行わない。
そして逆転は、この記事の発見そのものである。 社名になっている本業を含むセグメントが減益になり、トレカとリユースと時計と保育のセグメントが増益を出した四半期。それが2027年3月期第1四半期だった。
なお、セグメント利益の各社の単純合計(1,287/1,049)と、会社が開示する合計(1,288/1,051)には1〜2百万円のずれがある。短信が百万円未満を切り捨てているためで、本稿では会社が開示した合計値を使う。
1階——chocoZAPとRIZAP。社名になっている本業

1階は、国内直営のchocoZAPとRIZAP、そして体型補整用下着・化粧品・健康食品である。この会社の名前になっている商売が、ここに入る。
数字は報告セグメントのヘルスケア・美容で見るしかない。ただしそのセグメントには、本稿が2階に置く海外とFCも含まれている。 以下の数字は「1階の数字」ではなく「ヘルスケア・美容セグメントの数字」である。
| ヘルスケア・美容 | 2027/3期Q1 | 2026/3期Q1 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 15,310 | 16,312 | △6.1% |
| 営業利益 | 457 | 764 | △40.1% |
3セグメントで唯一の減益であり、減益率は最大である。 そして会社が「主力事業」と呼ぶのは、このセグメントの中核だ。
数字は増えている。売上は追いついていない
chocoZAPそのものの拡大は、短信にはっきり書かれている。
- 2026年7月17日に2,000店舗を突破
- 会員数は2026年8月13日時点で116.7万人
- 出店数が前期比2.6倍に拡大
- 当期は約150億円規模の成長投資(会社が「chocoZAP第二章」と呼ぶもの)を推進
- 6月にマレーシアへ初出店
- フランチャイズ展開も順調に店舗数を拡大
それでも減収減益になった理由を、会社はこう書いている。
chocoZAPへの成長投資(主に国内外の出店及び広告投資)を積極的に実施したことで会員数は増加したものの、キャンペーン施策の影響や売上収益化までにリードタイムが発生したこと等により、前年同期比で減収減益となりました。
会員は増えた。だがキャンペーンの無料期間があるため、その会員が会費を払い始めるまでに時間がかかる。店と会員が先に増えて、売上が後から来る。 成長投資の教科書どおりの並び方である。
会社は連結の説明でも「この減収は期初の計画通りの水準」と書いている。計画外の失速ではない、という主張だ。
損保との提携は、上場会社と子会社で厚みが違う
chocoZAPの拡大の横に、損保との資本がある。
2018年11月、RIZAPグループとSOMPOホールディングスは健康寿命延伸の分野で業務提携した。この時点では資本は動いていない。
資本が入ったのは2024年6月7日である。一次は札幌証券取引所に出た適時開示である。中身は2段に分かれている。
- 上場会社(2928): 第三者割当で普通株式 29,069,767株。払込総額 9,999,999,848円。割当後のSOMPOの議決権比率は 4.87%。手取は chocoZAP 関連の設備投資と運転資金に充てると書いてある
- 子会社のRIZAP株式会社: 別途 200億円の第三者割当。SOMPOの議決権比率は 23%
23%は上場会社の持分ではない。ジム本体のほうに、損保の資本は厚い。
その後に、表に出た話は次のとおりである。
- 2024年10月7日、損保ジャパンの「SOMPO Park」とSOMPOひまわり生命の「MYひまわり」登録者へ、chocoZAPの入会金・事務手数料無料と初月無料の優待を始めた(会社ニュース)
- 2024年11月、損保ジャパンがRIZAPの健康管理サービスを付けた企業向け保険を出すと発表した
- 2025年12月23日、損保ジャパン本社ビル内に社員専用のchocoZAPを2026年1月頃開設すると発表した(会社ニュース)。SOMPO側の2026年8月12日付資料は、その店が1月に開設済みだと書いている
業務提携の条文には、SOMPOグループの国内顧客基盤(約2,500万人)へ chocoZAP を広げることと、chocoZAP会員へSOMPOの商品を広げることが並んでいる。1階の会員を増やす資金と、会員の出どころが、同じ相手から来ている。
ただし、この開示だけでは、優待経由の入会が116.7万人のうち何人かは分からない。本稿では推計しない。
1階の数字には、chocoZAP以外が混ざっている
ここで断っておく。chocoZAP単体の数字は開示されていない。 手に入るのはヘルスケア・美容セグメント(本稿の1階+海外・FC)と、決算補足資料の「RIZAP関連事業」までである。
このセグメントには、パーソナルトレーニングジムのRIZAP本体と、婦人下着を主力とするMRKホールディングスも入っている。MRKはこの四半期、前年の価格改定に伴う駆け込み需要の反動と店舗網再構築で一時的な減収だったが、売上総利益率の改善と固定費圧縮により営業損失は前年同期から大幅に縮小した。
営業損失の縮小は、セグメントの前年比にプラスに効く。 つまりMRK以外の合計は、セグメント全体の△307百万円より重い減益になっている。ただし、そこからchocoZAP単体の負担額を取り出すことはできない。 同じセグメントにはパーソナルジムのRIZAPも入っているからだ。
決算補足資料は、管理上の区分でもう一段だけ細かく開示している。「RIZAP関連事業」の営業利益は740→517百万円(△222)。 これはchocoZAPを含むRIZAP株式会社の数字で、chocoZAP単体ではない。chocoZAP単体の売上も利益も会員単価も、短信にも補足資料にも出てこない。
パーソナルのRIZAPは、数字でも顔でも、後ろに下がっている
同じ短信は、パーソナルジムのRIZAPについても、店舗数も会員数も売上も書いていない。この四半期の開示だけを読んで、「本体の勢いが落ちた」と金額で言うことはできない。
言えるのは、会社が外に出す顔が入れ替わったことである。
2026年5月14日の2026年3月期決算説明会で、瀬戸社長が説明すると言った項目は、ハイライト、連結業績、通期予想、チョコザップの状況、チョコザップの成長戦略、株主還元である(説明会書き起こし)。パーソナルのRIZAPは、議題に入っていない。同じ場で、チョコザップを含むRIZAPの営業利益はグループ全体の50パーセントを超えた、とも述べている。語る対象が、すでにパーソナルではない。
テレビCMについても、視聴の印象は一次ではない。確認できる事実は次の2点である。
ひとつは、宣伝の主役が入れ替わったことだ。広告専門メディアは、2023年10月のCM放送回数1位をチョコザップだったと報じている。タレントのビフォーアフターを全国に流していたのはパーソナルのRIZAPだった。放送回数の首位がチョコザップに移った時点で、テレビの顔はすでに入れ替わっていた。
もうひとつは、そのチョコザップすら、広告を抑えたと会社が言っていることだ。同じ2026年3月期の説明会で、瀬戸社長は「1年半にわたり新規出店および広告宣伝を半減以下に抑制してきた」と述べ、チョコザップ関連の広告宣伝費は前年比46.2パーセント、つまり53.8パーセント減だったとした。「大規模な広告宣伝を行うことなく」収益性を上げた、というのが会社の説明である。
だから、最近テレビでビフォーアフターを見ないという感覚は、少なくとも次の2つと矛盾しない。宣伝の予算がパーソナルからチョコザップへ移り、そのチョコザップも、拡大期が一段落したあとは広告を削った。見えないのは、パーソナルが消えたからとは限らない。会社がテレビに金を使わなくなったから、という説明のほうが、開示と合う。
2022年には、パーソナルのテレビCMのターゲットを60代以上の男性に絞った、という業界記事がある。一次ではないので、本稿では「絞った」とは断定しない。ただ、全国のタレントCMを打ち続けている会社の動きではない。
同じ理由で「約150億円規模の成長投資」の内訳も分からない。Q1の有形固定資産の取得による支出は1,890百万円(前年同期787百万円の2.4倍)、使用権資産は2,157百万円増えて37,597百万円になっているが、足しても40億円規模である。出店に伴うリース総額や広告費の配分が開示されていないため、150億円をどこまで消化したかはこの開示からは追えない。
海外とFCは、3階ではない。だが2階である
海外展開とFC展開は、chocoZAPの中から伸びている枝である。まず3階ではないことを確かめ、そのうえで2階かどうかを別に判定する。
本シリーズの3階には2つの要件がある。①まだ収益になっていないこと。②既存事業の延長ではなく、別の産業や役割へ踏み出すこと。海外は②を満たさない。 マレーシアへの初出店は、chocoZAPというコンビニジムを別の国で開くことである。第3回のカッパ・クリエイトでも、まだ1号店が開いていないベトナム進出を3階には置かなかった。同じ事象を回によって違う階に置かない。
3階でないことは、2階であることを意味しない。 そこで4つの確認を候補ごとに当てる。
| # | 確認 | 海外 | FC |
|---|---|---|---|
| 1 | 会社が戦略の柱として1階と分けて置いているか | ○ 決算補足資料が海外を別掲し、RIZAP香港の先行投資を減益要因として名指ししている | ○ 同資料がFCの店舗数と内訳を別掲している |
| 2 | 成長率が1階と明確に違うか | 判定できない 海外の売上・利益は非開示 | ○ 実績で2026年5月14日の28店から8月14日の54店へ、約3か月で倍増 |
| 3 | 顧客・市場・収益モデルが違うか | ○ 市場が違う。海外26店 | ○ 会費からロイヤリティへ、収益モデルが変わる |
| 4 | 資源を別枠で配分しているか | ○ 海外法人と先行投資 | △ 増加の主因は直営店の譲渡(54店のうち45店)で、別枠の投資は確認できない |
海外は①③④の3つ、FCは①②③の3つ。どちらも閾値に届く。2階である。
ここで一つ、正直に書いておくことがある。この2つの金額は、報告セグメントの中に埋もれていて取り出せない。 海外もFCもヘルスケア・美容セグメントに含まれており、売上も利益も別掲されていない。階は事業の性質で決まるが、その階がいくら稼いだかは、この開示からは分けられない。 定量の限界としてそう書く。金額が出ないことを理由に階を下げることはしない。
なおFCについて、補足資料には「今後の見込み(加盟意向あり)」として109店(直営店譲渡76+新規出店33)、2027年3月末に286店という数字も並んでいる。これらは実績ではない。 本稿が階の判定に使ったのは、実績の28→54店のほうである。
1階の評価——減益の中身は、店が売れなかったことではない
1階を含むヘルスケア・美容セグメントは、この四半期に減益だった。ただしその中身は、事業が縮んだからではない。
会社の説明は「chocoZAPへの成長投資(主に国内外の出店及び広告投資)を積極的に実施したことで会員数は増加したものの、収益化までにリードタイムが生じている」である。店舗数と会員数という先行指標は、はっきり増えている。 そして補足資料には、既存店1,842店の「3か月間(2026年4〜6月)の店舗粗利内訳」が載っている。3か月とも店舗粗利が黒字だった店が1,749店=95.0%、一時的な赤字が58店=3.1%、恒常的な赤字が35店=1.9%である。
読み方を限定しておく。これは既存店ベースの「店舗粗利」であって、営業利益ではない。 本部費・広告費・開発費・減価償却などを引く前の段階の話で、対象も全2,056店ではなく既存の1,842店である。店舗粗利からセグメントの営業利益への橋渡しを、会社は開示していない。
そのうえで書けるのは、すでに開いている店の大半は、店の段階では黒字を出しているということである。減益がどこで発生しているかは、この指標からは特定できない。会社が挙げている理由は「chocoZAPへの成長投資(主に国内外の出店及び広告投資)」と「収益化までのリードタイム」である。
そのうえで留保を書く。この投資が回収できるかどうかを、会社は「収益化までにリードタイムが生じている」と説明している。 会員が会費を払い始める時期も、回収の条件も、金額では開示されていない。1四半期では判定できない。
2階——トレカ、リユース、時計、保育。利益で本業を抜いた

2階には、ライフスタイルとインベストメントの2セグメント、そして前節で見た海外とFCを置く。このうち金額が取れるのは、報告セグメントの2つだけである。
| 2階のうち金額が取れる2セグメント | 当Q1営業利益 | 前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ライフスタイル | 539 | 198 | +341 |
| インベストメント | 291 | 87 | +204 |
| 合計 | 830 | 285 | +545 |
前年同期の285百万円から545百万円増えた。連結営業利益790百万円を、この2つで超えている。報告セグメントで見るかぎり、増益の出どころはこの2つである。 ただし会社の管理区分では、ヘルスケア・美容に属するMRKも+295百万円の増益を出している。増益がこの2セグメントだけの成果だとは書けない。
ただし、「黒字を作っている」ことは「1階である」ことを意味しない。 階は利益の大きさではなく、事業の性質で決める。4つの確認を当てる。
| # | 確認 | ライフスタイル | インベストメント |
|---|---|---|---|
| 1 | 会社が戦略の柱として1階と分けて置いているか | △ 独立した報告セグメントで別法人群だが、それ自体は「戦略の柱」の証明にならない。会社は補足資料で低成長・低収益分野の効率化や売却も掲げている | △ 同じ |
| 2 | 成長率が1階と明確に違うか | ○ 営業利益+172.2%(ヘルスケア・美容は△40.1%) | ○ +234.4%(同上)。ただし前年に湘南ベルマーレを含むため比較範囲が違う |
| 3 | 顧客・市場・収益モデルのいずれかが違うか | ○ トレカ・クレーンゲーム・リユース・雑貨・アパレルの小売。ジムの月会費とは商売が違う | ○ 保育・介護と高級時計販売。同じく違う |
| 4 | 会社が資源を別枠で配分しているか | ○ 別法人としてぶら下げている | ○ 同じ |
確実な○は②③④の3つ。閾値の3つに届く。2階である。 そして2階は「まだ小さい」必要がない。 すでに利益の主役であっても、1階と商売が違えば2階に置く。この2セグメントは、この四半期の増益の出どころだった。
ライフスタイル——REXT Holdingsが牽引した
ライフスタイルには、REXT Holdings、BRUNO、夢展望が入る。会社は増益の主因をREXT Holdingsだと明記している。
REXT Holdingsのエンターテイメント事業では、新規出店の寄与もあって中核商材のトレーディングカードが前期を大きく上回り、アミューズメント(クレーンゲーム等)を含む高収益カテゴリの強化が奏功して大幅な増収増益になった。リユース事業では、ブランド・宝飾を中心とした買取の好調と、接客技術の標準化に向けた研修強化により、過去最高益を更新している。アパレル事業と雑貨事業では不採算店舗の整理とコスト削減を進め、雑貨事業は黒字化した。
一方、同じセグメントの2社は減収である。
BRUNOは国内卸で高粗利商品への集中と販路の最適化を進め、中国市場では販売代理店との取引形態の一部を高収益なライセンス取引へ変更した。売上規模を追わない方向へ舵を切った結果の減収である。SKU削減や生成AI活用でコストを削ったが、一過性の在庫評価損で減益だった。
夢展望も国内の滞留在庫を圧縮し、中国ではSNS・ライブコマース・実店舗を連動させた施策が奏功して中国事業の売上と利益が拡大した。ジュエリーは客単価が上がったが客数減で減収。全体では減収だが、営業損失は縮小している。
3社とも「売上規模を追うのをやめる」という同じ方向を向き、そのうち1社だけが増収増益になった。 ライフスタイルの+341百万円は、その1社が2社の減収を上回った結果である。
インベストメント——保育・介護と時計、そして抜けた1社
インベストメントには、SDエンターテイメントと一新時計が入る。
SDエンターテイメントは保育・介護部門で、前年に開所した就労継続支援B型事業所の売上寄与に加え、当第1四半期にも計7施設を新たに開所した。増収で、営業損失は大幅に縮小している。一新時計は高級ブランド時計の販売が引き続き好調で、増収増益だった。
ただし、このセグメントの+234.4%という増益率には、前年との連続性が切れている部分がある。
前年同期のインベストメントには、株式会社湘南ベルマーレが含まれていた。 同社は前期2026年2月20日の全保有株式譲渡に伴い連結子会社から除外され、当第1四半期には含まれていない。
短信に湘南ベルマーレの損益額の記載はない。したがって、インベストメントの増益204百万円のうちいくらが除外によるもので、いくらがSDエンターテイメントと一新時計の実力かは、この開示からは分けられない。本稿では推計しない。次の四半期からは前年同期も同じ連結範囲になるので、そこで実力が見える。
逆転を、そのまま書いておく
トレーディングカード小売、クレーンゲーム、ブランド・宝飾のリユース、高級時計販売、保育・介護——どれも市場も収益モデルも確立している。派手ではないが、ヘルスケア・美容の減益を上回るだけの増益を、この四半期に実際に出している。
そしてこの2セグメントは、RIZAPグループが長年かけて買い集めてきた会社の集まりである。いろいろな業種の会社を傘下に入れてきた歴史が、いま増益の出どころになっている。
報告セグメントで見ると、躯体を含むヘルスケア・美容が減益になり、2階に置いたライフスタイルとインベストメントの増益がそれを上回っている。 本シリーズは第9回の楽天でも、躯体(EC)がフィンテックに利益で抜かれる形を見ている。
ただし、そこから先は言い方を分ける必要がある。楽天はセグメントと階が対応していたので、階どうしを比べられた。RIZAPは対応していない——2階に置いた海外とFCが、減益側のセグメントの中に入っているからだ。だから「2階が1階を支えた」という言い方は、この会社ではできない。 比べられるのはセグメントまでである。
なお会社がIRサイトで「上場グループ企業」として挙げるのは、BRUNO(3140)、夢展望(3185)、SDエンターテイメント(4650)、MRKホールディングス(9980)の4社である。2階の主役であるREXT Holdingsと一新時計は、そこに含まれていない。 この点は「株主にとって」で効いてくる。
3階——まだ無い。AIトレーナーは、1階の中の話である

3階の要件は二つあり、両方を満たす必要がある。①まだ収益になっていない。②既存事業の延長ではなく、1階・2階の蓄積を使って別の産業・別の役割へ踏み出すもの。
短信の中で3階の候補になりそうなのは、1行だけである。
また、AX(AIトランスフォーメーション)への開発投資も推進しており、8月中旬よりAIトレーナーのPoC(概念実証)の開始を予定しています。
この1行は、chocoZAPの運営を説明する段落の中にある。 そして本稿は、これを3階に置かない。理由は②である。
AIトレーナーは、いまの開示の範囲では「ジムのサービスを良くする仕組み」である。 別の顧客に売るとも、別の産業へ出るとも、別の組織を作るとも書かれていない。②を落とすと、単に「まだ始まっていない1階・2階」が3階に紛れ込む。 第3回では、カッパのベトナム進出が①は満たすが②を満たさないとして3階から外している。同じ判定になる。
①についても、断定できることは限られる。短信は「AXへの開発投資も推進しており」と書いている。 PoCの開始は8月中旬で第1四半期の外だが、開発投資そのものがQ1にゼロだったとは書かれていない。金額の開示がない以上、「Q1に1円も入っていない」とは書けない。
会社が別の方向を示唆している資料はある。ただし短信ではない
補足しておく。会社IRの経営情報ページには、会員基盤の拡大に伴うライフログ等のデータ蓄積を活かした協業・データ連携により、chocoZAP事業を「ウェルビーイングプラットフォーム」へ進化させるという記述がある。同じ四半期に、アプリ内の「お店の状況わかるナビ」を刷新し、5点満点の「店舗体験スコア」と利用者のフリーコメントを集める方式へ変えてもいる。
データを集めて、それを別の商売にする。 その方向が具体化すれば、3階の候補になりうる。
ただし現時点では、そう書けない。
- AXとAIトレーナーの投資額は開示されていない
- 「ウェルビーイングプラットフォーム」の記述があるのはIRサイトの経営情報ページで、決算短信には出てこない。 しかもそのページの本文は2024年3月期を振り返る内容で、更新されていない
- PoCが何を検証するのかも、短信には書かれていない
会社が更新していない古いページの一文と、短信の1行を結んで「別の産業へ踏み出す」と読むのは、こちらの飛躍になる。だから3階は空けておく。
もう一つの候補——RIZAP建設
決算補足資料には、AIトレーナーとは別に「新規事業」の枠がある。そこにRIZAP建設の立ち上げに関わる投資が挙げられている。
建設は、ジムとも小売とも別の産業である。 要件②のほうは、AIトレーナーより筋がいい。
ただし①が確認できない。資料は、この事業の売上や利益がゼロだとは書いていない。 立ち上げ投資があると書いてあるだけで、収益状況の記載がない。「まだ収益になっていない」を一次で確かめられない以上、3階には置けない。
だから本稿の3階は、AIトレーナーでもRIZAP建設でもなく、空である。 どちらも次の開示で数字が出れば、そのとき判定し直す。
3階が無いことを、欠点として書かない
3階が無いのは珍しいことではない。本シリーズが見てきた銘柄でも、3階まで建っている会社のほうが少ない。そしてこの会社は、いま3階を建てる局面にはいない。約150億円規模の成長投資が走っている最中である(会社の説明では国内外の出店と広告投資を含むので、1階だけの投資ではない)。その回収が見えるまで、上に何かを載せる話にはならない。
次の四半期に、PoCの結果か、投資額か、別の顧客に売る話が出てくるかを見る。出てくれば、そのとき3階として判定し直せばよい。
構造の考察——営業利益+382百万円は、どこで作られたか

ここまでで階は決まった。ただし階ごとの金額は出せない。 海外とFCがヘルスケア・美容の中に埋もれているためである。そこでここからは、会社が開示している区分のまま数字を追う。
では営業利益の+382百万円は、どこで作られたのか。三重に分解する。
分解①——損益計算書の一本式
まず、営業利益がなぜ382百万円増えたのか。連結損益計算書の各行の差だけで、過不足なく説明できる。
| 項目 | 2026/3期Q1 | 2027/3期Q1 | 営業利益への寄与 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 39,915 | 36,910 | △3,005 |
| 売上原価 | 21,091 | 20,021 | +1,070 |
| (売上総利益) | 18,823 | 16,888 | △1,935 |
| 販売費及び一般管理費 | 18,671 | 16,357 | +2,314 |
| その他の収益 | 380 | 439 | +59 |
| その他の費用 | 123 | 179 | △56 |
| 営業利益 | 408 | 790 | +382 |
△1,935 + 2,314 + 59 − 56 = +382。 営業利益の増加額と完全に一致する。
読み方はこうなる。売上が3,005百万円減り、原価が1,070百万円減った。差の1,935百万円が粗利の目減りである。それを、販管費を2,314百万円削って上回った。
率で見ると、売上総利益率は47.16%から45.75%へ1.41ポイント下がり、販管費率は46.78%から44.32%へ2.46ポイント下がっている。粗利率の悪化より、販管費率の改善のほうが大きかった。
会社の逐語も同じことを言っている。「グループ各社において経費の最適化や徹底したコスト削減を実施したことが奏功した」。
「減収なのに増益」の正体は、これである。 売上の減り方より、費用の減り方のほうが速かった。
分解②——セグメントの階段
同じ+382百万円を、階の側から見る。
| 段 | 前Q1 | 当Q1 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ヘルスケア・美容(1階+海外・FC) | 764 | 457 | △307 |
| ライフスタイル(2階) | 198 | 539 | +341 |
| インベストメント(2階) | 87 | 291 | +204 |
| セグメント利益 合計(会社開示) | 1,051 | 1,288 | +237 |
| 調整額(配賦不能な全社費用等) | △642 | △497 | +145 |
| 連結営業利益 | 408 | 790 | +382 |
+237 と +145 を足して +382。 ここも一致する。
つまり増益382百万円のうち、237百万円はセグメントの改善、145百万円は本社費など配賦不能分の縮小である。約4割が、事業そのものではなく全社コストの削減で出ている。
そしてセグメント側の+237は、ライフスタイルとインベストメントの+545が、ヘルスケア・美容の△307を上回った結果である。なおヘルスケア・美容には、本稿が2階に置いた海外とFCが含まれている。 だからこの+545と△307を、そのまま階の増減として読み替えることはしない。
成長投資を、他の事業の利益で吸収する構造ができている。 会社もそう説明している——「chocoZAPを中心とした成長投資を吸収して全体の利益を牽引した」。
ここで一つ、書き方を厳密にしておく。これはセグメント利益の相殺であって、2階が稼いだ現金を1階の投資に回した、という資金の移動が開示されているわけではない。 会社が書いているのは「吸収して」までである。本稿もそこまでにする。
なおこの調整額は、会社が短信の注記(セグメント情報)で前年同期分も含めて開示しているものである。前年の調整額は連結営業利益とセグメント計から逆算することもできるが、注記に実額が載っているので、本稿は開示値をそのまま使う。
分解③——会社自身のブリッジ
決算補足資料には、会社が引いた営業利益のブリッジがある。報告セグメントとは別の、管理上の区分で切られている。
| 段 | 百万円 |
|---|---|
| 2026年3月期Q1 営業利益 | 408 |
| RIZAP株式会社の減益(chocoZAP含む) | △222 |
| その他の既存事業の増益 | +917 |
| その他の既存事業の減益 | △334 |
| その他 | +21 |
| 2027年3月期Q1 営業利益 | 790 |
増益の内訳も名前で書かれている。REXT +370(トレーディングカードとリユースが好調)、MRK +295(店舗網再構築および商品構成の見直し)。減益側(△334百万円)について会社が挙げている主な内訳はRIZAP香港の先行投資の影響等である。この△334は「その他の既存事業」の枠に入っており、会社の管理区分と本稿の階は対応していない。 階のラベルは付けない。
ここで、階の話と管理区分の話がずれることを断っておく。
- MRKホールディングスは、報告セグメントではヘルスケア・美容に属する。 つまり本稿が1階に置いた躯体と同じセグメントの中で、+295百万円の増益を出している。「増益はすべて2階が作った」とは言えない
- 逆に、会社が「その他の既存事業の減益△334」の内訳として名指ししている RIZAP香港は、本稿では2階に置いた海外にあたる。会社の管理区分と本稿の階は、ここでも対応していない
きれいに分かれないのが実態である。 書けるのはこうだ。ジムの本体(RIZAP株式会社)は△222の減益で、それを他の事業の増益+917が上回った。 その+917のうち370はREXT(本稿の2階)、295はMRK(ヘルスケア・美容の中)である。
そしてもう一つ。同じ管理区分で見ると、RIZAP関連事業の営業利益は740→517百万円。減ってはいるが、517百万円の黒字である。 ジムが赤字を垂れ流しているわけではない。この四半期に起きたのは、黒字幅が縮んだことだ。
そして、営業利益の下でもう一度組み替えが起きている
ここまでは営業利益の話だった。「5期ぶりの黒字」は、その下で決まる。
| 段 | 2026/3期Q1 | 2027/3期Q1 |
|---|---|---|
| 営業利益 | 408 | 790 |
| 金融収益 | 40 | 100 |
| 金融費用 | △616 | △631 |
| 税引前四半期利益 | △166 | 259 |
| 法人所得税費用 | △3,964 | +125 |
| 継続事業からの四半期利益 | △4,131 | 384 |
| 非継続事業からの四半期損失 | △81 | △3 |
| 四半期利益 | △4,212 | 380 |
| うち非支配持分 | 1,733 | 245 |
| うち親会社の所有者 | △5,945 | 135 |
(法人所得税費用は、費用がプラス表示・戻りがマイナス表示。この表では利益への寄与の向きに符号を揃えた)
この表には、見落とすと話が変わる点が2つある。
1つめ。前年の5,945百万円の損失は、営業段階では発生していない。 前年同期も営業利益は408百万円の黒字だった。税引前でようやく166百万円の損失になり、そこに法人所得税費用が3,964百万円乗って継続事業で4,131百万円の損失になり、非継続事業の81百万円が加わって4,212百万円へ落ちている。
この税負担の理由は、短信には書かれていない。決算補足資料には書かれている。 前年同期には「2025年5月15日発表のRIZAP(株)に対する債権放棄に伴う法人税等調整額41億円、非支配者持分損益17億円の合計59億円の一過性費用」が含まれる、と注記されている。前年の損失には、この一過性費用が含まれている。 59億円は損失4,212百万円(=42億円)を上回る規模だが、会社は「含まれます」と書いているだけで、損失のすべてがこれで説明されるとは書いていない。
当期はその逆で、法人所得税が125百万円のプラス(戻り)となり、税引前259百万円が継続事業の四半期利益384百万円へ増えている。
2つめ。四半期利益380百万円のうち、親会社株主の取り分は135百万円しかない。 残る245百万円は非支配持分、つまり子会社の少数株主のものである。64.5%が非支配持分、35.5%が親会社株主という配分になる(当方の計算)。前年も同じ構造が逆向きに効いていた。グループ全体では4,212百万円の損失なのに、非支配持分には1,733百万円の利益が配分され、その分だけ親会社株主の損失が5,945百万円まで膨らんでいる。
「5期ぶりの黒字」は、営業段階の改善に、前年の一過性費用の剥落と、税金の振れと、少数株主への配分が乗って出てきた数字である。 事業がどれだけ改善したかを素直に見るなら、営業利益の+382百万円のほうを見るべきだ。
シリーズの中に置いてみる
同じ「セグメントの利益と連結の利益がずれる」現象を、このシリーズは直前の回でも扱っている。
第11回のオートバックスセブンは、四つの報告セグメントの利益が504百万円増えたのに、配分されないコーポレート費用が857百万円増えて連結営業利益は353百万円減った。事業の増益が全社費用に食われた四半期だった。 RIZAPグループは逆で、配賦不能の全社費用が145百万円縮み、連結を押し上げた側にいる。
第9回の楽天グループとも比べられる。楽天は建設中の3階(モバイル)が1階と2階を食う構造だった。RIZAPには3階がなく、成長投資は既存の商売の中で走っている。 会社の説明では国内外の出店と広告投資を含むので、どの階がいくら負担しているかは分けられない。分かるのは、その投資が営業利益を押し下げている一方で、ライフスタイルとインベストメントの増益がそれを上回った、というところまでである。
株主にとって——黒字135百万円と、出ていった552百万円

株主の視点に移す。
黒字より、出ていったほうが大きい
要約四半期連結持分変動計算書を見ると、この四半期の利益剰余金はこう動いている。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2026年4月1日残高 | 4,462 |
| 四半期利益 | +135 |
| 剰余金の配当 | △399 |
| その他の資本性金融商品の所有者に対する分配金 | △153 |
| その他の包括利益累計額から利益剰余金への振替 | △111 |
| その他 | △1 |
| 2026年6月30日残高 | 3,933 |
5期ぶりに黒字になった135百万円に対し、配当399百万円と資本性金融商品への分配153百万円、合わせて552百万円が出ていった。 短信も「剰余金の配当等により利益剰余金が528百万円減少」と書いている(上表の残高は百万円未満切捨てのため、差は529に見える)。
配当399百万円は、前期の年間配当0.67円の支払いである(596,663,135株×0.67円=約400百万円。当方の検算)。
もう一つの153百万円は、親会社の所有者に帰属する持分50,163百万円のうち100億円を占める「その他の資本性金融商品」への分配金である。前年同期も同額の153百万円だった。年間の分配回数や年額は短信に書かれていないので、ここを4倍して年額とはしない。 書けるのは、Q1に153百万円が出ていて、前年Q1も同額だった、というところまでである。
Q1の1四半期だけで見ると、この分配153百万円は、前期の年間配当総額約4.0億円の4割近い水準にあたる。 年額どうしの比較は、分配条件が開示されていないのでしない。
これは会社の失敗という話ではなく、資本の構成がそうなっているという事実である。親会社株主に帰属する持分の約2割は普通株式以外の資本で、そこにも利益剰余金からの分配がある。「5期ぶりの黒字」の実感を測るなら、この層まで含めて見たほうが正確になる。
優待は、金額を確定できない
私はこの会社の株主優待も受け取っている。制度の一般説明として書く。
権利確定は毎年3月末・100株以上が対象で、chocoZAP月会費半額・ポイント優待・デジタルギフト券の3系統がある。会社IRの株式情報によれば株主数は147,282名(2025年3月31日現在)。
会社は優待にかかる費用を開示していない。そして本稿は、その金額を推定しない。
理由を書く。株主数×最低区分の額面という計算はできる。しかし株主数に100株未満の株主が含まれるか、優待の申込率・利用率、ポイントやデジタルギフトの履行原価、chocoZAP側の追加原価は、いずれも開示されていない。額面の合計と、会社が実際に負担する費用は別物である。
性質の話だけは書ける。chocoZAP月会費の半額分は、現金の支出ではなく会費の減収である。 ジムの限界費用は席が空いているかぎり小さいので、同じ額面でも食事券や商品券とは負担の出方が違う。ただし「だから会社の負担はゼロ」とは書けない。 ポイントとデジタルギフトの系統は別に原価が立つはずで、その金額も開示されていない。
なお今回の決算短信に、株主優待に関する記載は1件もない。ただし決算補足資料には現行制度と申込期限が掲載されている。 「短信本文に変更のアナウンスはなかった」「制度そのものは補足資料に載っている」——分けて書いておく。
親会社株主の取り分そのものを増やす動きもある
還元とは別に、この四半期には2つの動きがある。
子会社の少数持分の買い増し。 キャッシュ・フロー計算書の「非支配持分からの子会社持分取得による支出」は485百万円で、前年同期の101百万円から増えた。持分変動計算書でも、支配の喪失とならない子会社に対する所有者持分の変動として資本剰余金が216百万円増え、非支配持分が711百万円減っている。四半期利益の64.5%が非支配持分に流れる構造に対して、その分母を買い戻している。
自己株式の取得。 期末自己株式数は前期末の1,477株から421,477株へ増え、取得による支出は83百万円だった。前期末までほぼゼロだったので、還元の手段が一つ増えたことになる。
通期予想は、まだ入口である
会社は通期予想を修正していない。「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:無」と明記し、本文でも「2026年5月14日に開示した数値から、現時点において変更はありません」と書いている。予想はレンジ形式である。
| 項目 | Q1実績 | 通期予想 | Q1進捗 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 36,910 | 180,000(+7.6%) | 20.5% |
| 営業利益 | 790 | 12,000〜16,000(+8.2〜+44.3%) | 6.6〜4.9% |
| 税引前利益 | 259 | 9,000〜13,000 | 2.9〜2.0% |
| 当期利益 | 380 | 5,500〜8,200 | 6.9〜4.6% |
| 親会社帰属利益 | 135 | 4,000〜6,000(+177.7〜+316.6%) | 3.4〜2.3% |
売上は20.5%まで進んでいるのに、親会社帰属利益は会社予想レンジの下限に対しても3.4%しか進んでいない。
これを「遅れ」と読む前に、会社の説明を置く。短信は「当社グループは下期偏重型の事業構造ではあるものの」と明記している。四半期の均等割りで測る構造ではない、と会社自身が言っている。
そのうえで距離だけは書いておく。通期予想の増減率から逆算すると、前期の親会社帰属当期利益は約1,440百万円になる(当方の逆算)。下限の4,000百万円でも、前期の2.8倍を要求している。 Q1の135百万円は、その入口にあたる。配当予想も据え置きで、期末1.34〜2.01円・年間同額。前期実績0.67円からの増配予想である。
中期経営目標との距離は、まだ測れない
会社IRの経営情報ページには、中期経営目標として2026年3月期 連結営業利益300億円、2027年3月期 連結営業利益400億円が掲載されている(2026年8月16日確認)。今期の予想営業利益は120億〜160億円で、上限でも目標の4割にあたる。
ただし、この比較には注意が要る。今回の決算短信に中期経営目標への言及は一切ない。 そして目標が載る経営情報ページの本文は、2024年3月期を振り返り2025年3月期の予想(売上1,777億円・営業利益63億円)を前提に書かれたもので、更新されていない。
この400億円がいまも生きた目標なのかは、この2つの資料からは判定できない。 「未達」と書くには、目標が現行だと確認できていない。断定せずに置き、中期経営計画の更新版が出たら読み直す。
次の答え合わせで見る3点
1. 1階の会費が立ち上がるか。 無料期間を抜けた会員が会費を払い始めれば、ヘルスケア・美容の売上と利益は同時に戻る。会社が「収益化までにリードタイム」と説明した部分の答え合わせになる。
2. ライフスタイルとインベストメントが増益を出し続けられるか。 この四半期はこの2つの+545が、ヘルスケア・美容の△307を上回った。REXT Holdingsのトレーディングカードとリユースは、相場と買取環境の影響を受けやすい商売でもある。あわせて、棚卸資産が3,015百万円(15.0%)増えて23,090百万円になった点も見る。短信は増加の事実だけを書き、どの事業の在庫かは書いていない。
3. 非支配持分の比率が動くか。 四半期利益の64.5%は親会社株主に届いていない。485百万円の買い増しが続くかどうかで、同じ「黒字」でも株主に届く量が変わる。
家族が半年間使った優待の会費半額は、1階の売上を薄める側にあった。そして増益を出しているのは、いまのところライフスタイルとインベストメントである。この2つが同じ会社の中でつながるのは、1階の会費が立ち上がってからだ。
本稿は筆者個人の見方であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではない。投資判断は各自の責任で行っていただきたい。
おわりに——半額の会費は、どの階に落ちていたか

冒頭の問いに戻る。営業利益を382百万円増やしたのは、どこか。
ジムではない。
増益を作ったのは、トレーディングカードとクレーンゲームとブランド・宝飾のリユース、高級ブランド時計、そして保育・介護である。ライフスタイルは+341百万円、インベストメントは+204百万円。その一方で、会社が「主力事業」と呼ぶchocoZAPが入るヘルスケア・美容は、営業利益が40.1%減った。会社自身のブリッジでも、RIZAP株式会社が△222百万円、その他の既存事業が+917百万円である。
なお「5期ぶりの最終黒字」135百万円のほうは、階に割り当てられない。 営業利益の下に、前年の一過性費用の剥落、法人所得税の振れ、非継続事業、非支配持分への配分が挟まっているからだ。階の話ができるのは、営業利益までである。
これは悪い黒字ではない。 成長投資を他の事業の利益で吸収できる構造が、この四半期に実際に働いた。3セグメントとも減収だったが、粗利が1,935百万円目減りしたのを販管費の2,314百万円の削減が上回り、営業利益は2倍近くになった。
ただし、見出しの言葉には距離を置いておく。「5期ぶりの黒字」の135百万円は、営業段階の改善に、法人所得税の振れと少数株主への配分が乗って出てきた数字である。 前年の5,945百万円の損失も、営業段階では黒字だった。そして黒字135百万円に対し、この四半期には配当399百万円と資本性金融商品への分配153百万円が出ていった。黒字より、出ていったほうが大きい四半期だった。
3階は、まだ無い。 AIトレーナーのPoCは8月中旬開始予定だが、短信の記述はchocoZAPの運営を説明する段落の中にあり、別の顧客に売るとも別の産業へ出るとも書かれていない。いまの開示では、これは1階の中の施策である。116.7万人から店舗体験スコアとフリーコメントを集める仕組みは動き始めたが、それがいくらの商売になるかは、この開示のどこにも書かれていない。書かれていないものを、こちらで膨らませない。
半額で申し込んだ家として
半額で申し込んだchocoZAPは、家族が半年で辞めた。着替え場所も駐輪場もなく、器具は壊れ、女性専用エリアに男性がいることが多かった、というのが家族の話である。運用上の課題は、まだ山積している。
その半額分は、会社から見れば会費の減収である。半年のあいだ、この家は1階の売上をわずかに薄めていた会員でもあった。116.7万人のうち、優待でそうしている人が何人いるかは開示されていない。
その一方で、この四半期に増益を作ったのは、トレカとクレーンゲームとリユースと時計と保育のほうだった。健康コーポレーションのころから持っている株が、ジム以外の商売から配当を受け取っている。
これは矛盾ではない。建物というのはそういうものだ。 第9回の楽天では建設中の3階が1階と2階を食っていた。この会社では、成長投資が走っているのは既存の商売の中で、増益はRIZAP本体の外から来ている。同じ会社の中で、金を使う場所と稼ぎが増えた場所が違う、というだけである。
2,000店と116.7万人という数字は、たしかに見出しになる。だが決算書を開くと、そこは黒字のまま減益だった。RIZAP関連事業の営業利益は740→517百万円。稼いでいないのではなく、稼ぎが縮んでいる。
次にこの会社の開示を見るとき、私はその半額が、どの階に落ちていたのかを考えることになる。
FAQ
3セグメントとも減収なのに、なぜ営業利益は93.4%も増えたのですか?
売上の減り方より、費用の減り方のほうが大きかったためです。連結損益計算書で分解すると、売上収益は3,005百万円減り、売上原価は1,070百万円減ったので、売上総利益は1,935百万円減りました。一方で販売費及び一般管理費は2,314百万円減っています。ここにその他の収益の増加59百万円とその他の費用の増加56百万円を加えると、△1,935+2,314+59−56=+382百万円となり、営業利益の増加額と一致します。率で見ると売上総利益率は1.41ポイント低下しましたが、販管費率は2.46ポイント改善しました。
営業利益を増やしたのは、chocoZAPですか?
chocoZAP単体の利益は開示されていないため、この問いに直接は答えられません。答えられる範囲で書きます。**RIZAP本体が増益を作ったのではありません。ただし赤字でもありません。** 決算補足資料の管理区分では、chocoZAPを含むRIZAP関連事業の営業利益は740→517百万円で、減ったものの黒字です。なおchocoZAP単体の売上・利益は、短信にも補足資料にも開示されていません。報告セグメントで見ると、chocoZAPが入るヘルスケア・美容は457百万円(前年同期比40.1%減)で3セグメント唯一の減益、増益はライフスタイル(539百万円、+172.2%)とインベストメント(291百万円、+234.4%)でした。会社自身の営業利益ブリッジも、RIZAP株式会社の減益△222百万円を、その他の既存事業の増益+917百万円(REXT +370、MRK +295)が上回ったと説明しています。なおMRKはヘルスケア・美容に属するため、増益のすべてが他セグメントの成果というわけでもありません。
「5期ぶりに最終利益が黒字」の135百万円は、事業の改善だけで出た数字ですか?
いいえ。営業利益は408百万円から790百万円へ382百万円増えていますが、その下に3つの要因があります。1つは前年の一過性費用で、決算補足資料によれば前年同期にはRIZAP株式会社に対する債権放棄に伴う法人税等調整額41億円と非支配者持分損益17億円、合計59億円が含まれていました。2つめは法人所得税費用で、前年同期は3,964百万円の費用計上により継続事業の四半期損失が4,131百万円まで拡大し、非継続事業の81百万円を加えて4,212百万円になったのに対し、当期は125百万円のプラス(戻り)です。3つめは非支配持分への配分で、四半期利益380百万円のうち245百万円(64.5%)は子会社の少数株主に帰属し、親会社株主の取り分は135百万円です。事業の改善を素直に測るなら、営業利益の+382百万円を見るほうが正確です。
インベストメントの営業利益が234.4%増えたのは、事業が強くなったからですか?
前年との連続性が切れている部分があります。前年同期のインベストメントには株式会社湘南ベルマーレが含まれており、前期2026年2月20日の全保有株式譲渡に伴い連結子会社から除外されたため、当第1四半期には含まれていません。短信に同社の損益額の記載はないため、増益204百万円のうちいくらが除外によるものかは、この開示からは分けられません。会社が挙げている要因は、SDエンターテイメントの保育・介護部門で計7施設を新規開所したことによる増収と営業損失の大幅縮小、および一新時計の高級ブランド時計販売の好調です。
RIZAPグループの株主優待は、今回の決算で変更されましたか?
今回の決算短信に株主優待に関する記載は1件もありません。この開示では優待制度についてのアナウンスはなかった、ということです。短信本文に変更のアナウンスはありませんでしたが、**決算補足資料のp.35〜36には現行制度と申込期限が掲載されています。** 制度は権利確定が毎年3月末・100株以上が対象で、chocoZAP月会費半額・ポイント優待・デジタルギフト券の3系統です。会社は優待にかかる費用を開示していません。株主数147,282名(2025年3月31日現在・会社IR)×最低区分という計算はできますが、申込率・利用率・ポイントやデジタルギフトの履行原価が非開示のため、本稿では優待費用の金額を推定していません。なおchocoZAP会費半額は現金支出ではなく会費の減収であり、会計上の費用とも一致しません。
日本株シリーズ(連載中)
筆者が実際に保有する日本の個別銘柄を、1社ずつ同じフレームで読み解くシリーズです。1階(収益基盤)・2階(成長エンジン)・3階(将来オプション)の3層で構造を分析し、決算のたびに答え合わせを重ねていきます。
- 第1回|7412|アトム|コロワイドグループという建物
- 第2回|7616|コロワイド|増築の設計図
- 第3回|7421|カッパ・クリエイト|店を出す以外の稼ぎ方
- 第4回|2705|大戸屋ホールディングス|定食屋の卸売
- 第5回|8267|イオン|スーパーが赤字でも揺るがない理由
- 第6回|3197|すかいらーくホールディングス|床を借りて、名前を買う会社
- 第7回|7185|ヒロセ通商|予想を出さず、毎月の実績を出す会社
- 第8回|2702|日本マクドナルドHD|FC比率を設計する会社
- 第9回|4755|楽天グループ|一度離れた経済圏に、回線で戻って読む利益の三層
- 第10回|7550|ゼンショー|すき家より寿司で稼ぐ構造
- 第11回|9832|オートバックスセブン|店の外でコンシューマが黒字転換
- 第12回|3397|トリドールHD|報告セグメントは3つ、階は2つ
- 第13回|2928|RIZAPグループ|増益はRIZAP本体の外から来た
米国株シリーズ(連載中)
筆者が保有または注視している米国個別株を、1社ずつ同じフレームで読み解くシリーズです。1階(収益基盤)・2階(成長エンジン)・3階(将来オプション)の3層で構造を分析し、決算のたびに答え合わせを重ねていきます。
- 第1回|LLY|イーライリリー|3階建てで読むGLP-1事業
- 第2回|AVGO|Broadcom|AIインフラの「黒幕」3層構造
- 第3回|NVDA|NVIDIA|GPU屋からAI基幹インフラへ
- 第4回|TSLA|Tesla|FSD・Optimus・エネルギー
- 第5回|GOOGL|Alphabet|広告・クラウド・Waymo
- 第6回|UBER|Uber|配車・広告・自動運転
- 第7回|NFLX|Netflix|広告・ゲーム・ライブ
- 第8回|AMZN|Amazon|EC・AWS・衛星の3階建て
- 第9回|AAPL|Apple|地層沈降モデル
- 第10回|SPCX|SpaceX|Starship・Starlink・AIの3階建て
あわせて読みたい
- 楽天グループ(4755)の利益の三層(躯体が利益で抜かれる構造を、セグメントと階が対応している会社で読んだ回。あちらは階どうしを比べられた。どちらも現金を出さずに還元する優待を持つ)
- オートバックスセブン(9832)は店の外でも稼げるか(事業の増益が全社費用に食われた四半期。RIZAPは逆に配賦不能費用が145百万円縮んで連結を押し上げた側)
- SpaceX(SPCX)はまだ割高か(3階建てが逆流した米国株側の事例。3階に金額が付いていない状態をどう書くかの先行例)
- 2025年度株主優待の実績と活用法(chocoZAPの優待を「固定費削減系」に分類し、「費用対効果が抜群」と書いた原体験)
- 株主優待おすすめ20銘柄まとめ(2025年3月のchocoZAP優待・無料から半額への変更をその場で書いた記事)
参考リンク
- RIZAPグループ 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年8月14日開示・本稿の一次資料。全14ページ)
- SOMPOホールディングスとの資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行(2024年6月7日。上場会社4.87%/子会社RIZAP 23%)
- SOMPO×RIZAP 資本業務提携による協業報告(chocoZAP優待)(2024年10月7日)
- 損保ジャパン本社ビルにchocoZAPオープン(2025年12月23日)
- 2026年3月期決算説明会書き起こし(2026年5月14日開催。チョコザップ広告宣伝費 前年比46.2%)
- 「chocoZAP」が10月のCM放送回数1位に(2023年11月22日・広告専門メディア)
- RIZAPグループ 株式情報(株主数147,282名・発行済596,664,367株/いずれも2025年3月31日現在。2026年8月16日確認)
- RIZAPグループ 第23期 株主優待のご案内(2026年3月末権利確定・保有株数別の年間総還元額。2026年8月16日確認)
- RIZAPグループ 経営情報(中期経営目標 2027年3月期 連結営業利益400億円の記載。ページ本文は2024年3月期時点のもの。2026年8月16日確認)
- RIZAPグループ IR資料(上場グループ企業4社=BRUNO 3140/夢展望 3185/SDエンターテイメント 4650/MRKホールディングス 9980。2026年8月16日確認)
- 2027年3月期 第1四半期 決算補足資料(会社IR・全39ページ。RIZAP関連事業の損益、営業利益ブリッジ、chocoZAP既存店の黒字率、店舗数・FC、AIトレーナー、前年の一過性費用)
更新履歴
- 2026年8月16日 初版下書き作成