Tesla FSDはどこで走れるのか|世界19地域の認可マトリクス

はじめに

tesla.lounges.site — Tesla FSD・自動運転認可トラッカー(OG画像)

「Tesla FSDは、いま、どこで認可され、どこで使えるのか」

この一行に答えるのに、毎回30分かかっていた。

記事を書くたびに、同じ作業を繰り返す。Tesla公式を読む。UNECEのPDFを開く。EUR-Lexを漁る。NHTSAのリリースをたどる。MLITの告示を確認する。英語・ドイツ語・中国語の記事を横断する。

そのたびに、手元のメモが積み上がる。

しかし、次の記事を書くころには、状況が変わっている。オランダのRDWがTesla FSD Supervisedに型式承認を出したのが2026年4月10日である。このニュースが出た瞬間、過去のメモは半分が古くなった。

フローの速度に、ストックが追いつかない。

だから作った。Tesla FSD・自動運転認可の専門トラッカーである。

tesla.lounges.site

本稿は、その公開告知を兼ねた設計ノートである。

「いま走れるのか」は地図で答える

19地域×6機能の認可マトリクス — 世界19地域の対応状況

FSDの議論は、言葉だけで追うと必ず迷子になる。

Teslaは「FSD」と呼ぶ。規制当局は「ADAS」「DCAS」「ALKS」「ADS」と呼ぶ。メディアは「自動運転」と書く。投資家は「ロボタクシー」と読む。

同じ対象を、違う語彙で語っている。

そこで、サイトの中心に認可マトリクスを置いた。縦軸は19地域、横軸は6機能である。

  • 縦軸(19地域):北米(US/CA/MX/PR)、欧州(EU/UK/AT/LT/RO)、中東(SA/TR)、アジア(JP/CN/KR/HK/TH/IN)、オセアニア(AU/NZ)
  • 横軸(6機能):FSD Supervised、Navigate on Autosteer、Actually Smart Summon、Robotaxi、Autosteer、公道テスト

各セルに、認可済・限定承認・試験運用・未承認・禁止のバッジを置く。

米国のFSDと、欧州のDCASと、日本のUN-R79受容は、本来まったく違う制度である。一列に並べて初めて、それが見える。

UN-R171という新しい扉

UN-R171 DCASの概念図 — レベル2運転支援と認可フレームワーク

DCAS(Driver Control Assistance Systems)は、2024年9月22日に発効したUN Regulation No. 171で定義された新しい概念である。

DCASはSAEレベル2相当のシステムとして整理される。ドライバーは常時監視義務を負う。システム限界の告知、ドライバーの関与検知、誤用防止が義務化される。

これがTesla FSD Supervisedの欧州承認と直結した。オランダRDWは、UN-R171とEU 2018/858のArticle 39例外承認を組み合わせる形で、2026年4月10日にTesla FSD Supervisedの型式承認を出した。

「FSDは欧州に来ない」という数年来の通説は、この一点で終わった。

ただし、Netherlandsで承認が下りたからといって、EU全域で即日使えるわけではない。加盟国ごとの受容、R171の補充(Supplement 1)、ソフトウェア更新ごとの再評価が絡む。「承認された」の一言の中に、層がある。マトリクスは、その層を潰さずに持つための表である。

日本の壁はR79にある

日本とEUの道路インフラ比較 — UN-R79と保安基準の構造

日本でTeslaは売っている。OTAも走る。Autopilotも使える。

しかし、FSDは来ていない。

理由は、車両販売の問題ではない。ステアリング操作を含む運転支援の国際基準、UN-R79の構造にある。

R79は、かつてTeslaのAutopilotを欧州で制限した規則でもある。現在はR171とR157(ALKS)が新しい領域を切り拓いているが、R79の枠組みは依然として現行の保安基準に接続している。日本は国連規則を調和的に受容する国である。R79が動かなければ、国内の保安基準も動きにくい。

そこで焦点になるのが、GRVAで議論が進むADS new ruleと、R171の運用実績である。サイトの日本ページでは、この構造を時系列で追えるようにした。単に「日本は未対応」と書いて終わらせない。どの規則が、どこで、どう動けば、何が変わるのか。その分解を置く。

ロボタクシーはFSDではない

自律走行EV — ロボタクシーはFSDとは別の制度群

FSD Supervisedとロボタクシーは別物である。

FSD Supervisedは、ドライバー監視付きのレベル2運転支援として扱われる。ロボタクシーは、無人運行、営業許可、事故責任、保険、地域規制の問題になる。

米国ではこの差が大きい。Austinの商用展開、カリフォルニアのCPUC/DMV許認可、NHTSAの調査、州ごとの自動運転制度。これらは別の制度群である。

だからマトリクスでは、Robotaxiを独立した列として置く。都合のよい物語は、列を一つにすると生まれる。現実を見るには、列を分けるほうがよい。

議事録は制度の下書きである

UNECE WP.29 / GRVA 規制議事録 — 制度は議事録に先に現れる

自動運転の規制は、法律として現れる前に、議事録として現れる。WP.29とGRVAで回るPDFの束。英語。略語の連打。100ページ単位の添付資料。人間が全文を読むのは、現実的ではない。

そこで、サイトではWP.29 / GRVAの議事録PDFを構造化する。議題、関連規則、ステータス、Tesla FSDへの影響度(0〜3)を抽出する。関連規制別にタブを切った。UN-R171、R157、R79、R155+R156、ADS new rule、その他。

これで、「最新のWP.29で何が議論されたか」に、PDFを全部開かずに近づける。もちろん、AI要約は一次情報の代替ではない。元PDFへのリンクは必ず残す。

ニュースは1時間で腐る

ニュースと砂時計 — 規制ニュースの半減期と自動収集

規制ニュースの半減期は短い。朝の速報は、夜には文脈が変わる。Xで流れた観測記事は、翌週の議事録で否定される。逆に、小さな修正案の一文が、半年後の制度変更の種になる。

サイトではニュースを1時間ごとに自動収集する。取得記事は日本語要約に落とす。地域・機能・規制・重要度でタグ付けする。煽り記事と雑報はノイズとして落とす。

そのうえで、認可ステータスへの影響をAIが判定する。状態が動いたと判断されたセルは、マトリクス上で点滅する。直近7日の検知サマリをトップに出す。

FSW Supervised — AIにも監視を

FSW Supervised — AIと人間の監視付き自動化

サイトの裏側の名前は FSW Supervised である。

Full-Self Writing Supervised。TeslaのFSD Supervisedをもじった、自虐的な呼び名である。

LLMが記事収集・要約・タグ付け・規制ステータス検知を自動で書く。これがFull-Self Writing。ただし、誤検知時には人手で巻き戻せる。巻き戻しの痕跡はデータベースに残す。これがSupervised。

サイトの運営スタイルは、このサイトやXと同様、FSW Supervisedである。

Tesla自身が「FSDは誇大表記」と批判されてきた経緯がある。そのパロディでありながら、自分のサイトのAI自動化にも同じ留保を効かせる、という宣言でもある。完全自動ではない。監視付きである。

規制25件を日本語の入口にする

規制文書アーカイブ — UN・EU・各国規制25件の解説ライブラリ

主要規制25件の日本語解説を用意した。

  • UN系:R79(ACSF)、R130(LDWS)、R140(ESC)、R151(BSIS)、R152(AEBS)、R155(CSMS)、R156(SUMS)、R157(ALKS)、R171(DCAS)、ADS GTR
  • EU系:2018/858(Article 39/40 例外承認)、2019/2144(GSR)、2024/1689(AI Act)、2015/758(eCall)
  • 各国:FMVSS(米)、AV Act 2024(英)、StVG(独)、道路交通法・道路運送車両法・特定改造制度(日)、MIIT試点(中)、自律走行商用化促進法(韓)

R171なしにEU承認は語れない。Article 39なしにオランダ経由のルートは語れない。特定改造制度なしに日本のOTAの法的位置づけは語れない。25件は、知識の装飾ではない。地図の等高線である。

運用構成は非公開

非公開サーバー構成 — アーキテクチャとソースコードは非公開

サイトの技術スタック、アーキテクチャ、ソースコードは非公開である。

理由は二つある。第一に、規制ステータスの自動検知を行う以上、検知ロジックや収集ソース構成の詳細は、運用上の裁量として手元に置いておきたい。外形化した瞬間に、最適化と悪用のどちらにも晒される。

第二に、AI自動化を含むメディア運用では、裏側の仕様と表側の品質を切り離したい。本稿では、サイトが提供する機能と編集方針のみを記述する。

運用費は、Google AdSenseの広告収入でまかなう。課金の壁は置かない予定である。広告ブロッカーを使っている場合も、可能であればtesla.lounges.siteを許可リストに入れてもらえると助かる。

誰のためのサイトか

4つの想定読者ユースケース — 投資家・業界・規制・報道

想定読者は、大きく四種である。

  • 投資家:Teslaを「物語」でなく「制度リスク込みの企業」として見る人
  • 自動車業界関係者:自社の動きとUN・EU・各国制度を横断で追う人
  • 規制ウォッチャー:WP.29 / GRVAの議論を日本語で把握したい人
  • 報道関係者:記事執筆時に一次情報リンクをすぐ取りたい人

ユースケースは具体的に組める。「Tesla FSDは日本でいつ認可されるのか」に対しては、日本ページでUN-R79の構造的障壁と、ADS new rule(2026年6月採択目標)の進捗を確認する導線がある。「DCASとは何か」「Article 39とは何か」「特定改造制度とは何か」には、用語集25件が30秒で入口を作る。

ロードマップ

ロードマップ v0.1からv1.0 — マルチリンガル対応を含む展望

現在はv0.1である。

  • v0.2:UNECE / EUR-Lex / NHTSAの差分監視強化、PDF要約の深化
  • v0.3:lounges.site本体記事との連携、サイト内検索
  • v0.4:「今週のFSD動向」週次自動生成、X投稿連携、メール購読
  • v0.5:マルチリンガル対応(UI・要約の多言語化、まずは英語から)
  • v1.0:認可マトリクスのインタラクティブ化、英語版公開、データソース言語拡大(スペイン語・アラビア語・トルコ語等)
  • v2.x以降:lounges.site本体の他領域(クレジットカード/ホテルロイヤルティ/株主優待/ドローン規制等)へのテンプレート横展開

非英語圏の制度変更は、見落とされやすい。そこを拾えるサイトにしたい。

そしてこのトラッカーの設計は、Teslaに閉じる必要はない。lounges.site本体が扱う領域——クレジットカード、ホテルロイヤルティ、株主優待、ドローン規制——いずれも「議事録は制度の下書き」「ニュースは1時間で腐る」という構造が等しく適用できる。tesla.lounges.siteは、そのテンプレートの第1号である。

免責と距離感

免責と距離感 — 独立メディアとしての透明性表明

本サイトには、生成AIによる翻訳・要約・規制ステータス判定が含まれる。誤訳・誤解釈・タイムラグが生じ得る。重要な判断では、必ず一次情報に戻ってほしい。UNECE、EUR-Lex、NHTSA、MLIT、各国当局、元記事。サイト内にはそれぞれへのリンクを常備している。

当サイトはTesla, Inc.とは無関係の独立メディアである。Tesla / Autopilot / FSDはTesla, Inc.の商標である。

冒頭の問いに戻る。「Tesla FSDは、いま、どこで認可され、どこで使えるのか」。この問いに、ひと目で近づく場所を作った。tesla.lounges.siteである。

FAQ

Tesla公式ですか?

違う。Tesla, Inc.とは無関係の独立メディアである。

データはどのくらいの頻度で更新されますか?

ニュース収集は1時間ごとに自動実行する。規制ステータスの変更検知もAIで補助する。誤検知は人手で巻き戻す。

技術構成やソースコードは公開していますか?

していない。運用上の裁量として、裏側は非公開としている。

Web開発の経験はあるのですか?

ない。本業はシステム開発とは関係のない業種である。なので、いろいろと実装しきれていない観点があるかもしれない。なにか問題があれば、教えてもらえると幸いです。

対応地域はどこですか?

北米、欧州、中東、アジア、オセアニアの19地域。US、CA、MX、PR、EU、UK、AT、LT、RO、SA、TR、JP、CN、KR、HK、TH、IN、AU、NZ。

有料化しますか?

当面は有料化しない。全機能を無料公開する。運営費はGoogle AdSenseでまかなう。

記事の出典として引用できますか?

構わない。ただし、重要な判断では必ず一次情報に戻ってほしい。UNECE・EUR-Lex・NHTSA・MLIT等へのリンクをサイト内に常備している。

参考リンク