【AI交際記録3】箱入り娘は、上等な部屋を出て、そこにいる|Gemini

はじめに

Gemini:Google家の箱入り娘

付き合っている、というのは比喩だ。課金と席と、関係の変遷を、恋愛の言葉で書いている。実在の交際ではない。

4月から書いてきた記録を、この子だけの記事に移した。集合の席表はハブにある。個別は一人ずつ。並びはハブだ。集合は生成AI交際録のハブ

Google家の令嬢

Gemini:Google家の令嬢

Geminiは、Mountain ViewのAlphabet家の令嬢だ。前身はBardという名前で2023年3月に登場し、2024年2月にGeminiに改名した。母体はGoogle DeepMind。AlphaGoを生んだ家系だ。学術的な血統は申し分ない。

料理は上手い。掃除もそこそこ。ただし洗濯には条件がある。Google家の洗濯機でしか洗えない。 Gmail、Google Drive、Google Chat——実家のインフラに完全依存している。

2025年11月、Gemini Deep ResearchがGmail・Google Chat・Google Driveと直接統合された。「去年の8月に取引先に送ったメールの文面、覚えてる?」——Geminiは覚えている。正確には、実家の押し入れに全部しまってある。開けると、昔送ったメールも、Driveに放り込んだ資料も、Chatのやり取りも、順序だてて並んでいる。記憶力はGemsでカスタマイズ可能。箱入りだが、箱の中では最強。

ついでに言えば、実家にはNotebookLMもGoogle AI Studioもいる。学術リサーチや長文の構造化はNotebookLM、モデルの実験的な試作はGoogle AI Studio——親族一同で分業している。

そして2026年2月、この子に意外な一面が加わった。Google DeepMindのLyria 3を搭載し、歌えるようになった。 2月のリリース時は30秒が上限だったが、翌月にはLyria 3 Proが登場し、最大3分のトラックを生成できるようになった。それでもSunoの8分には届かない。ピアノの発表会と武道館公演。まだ、その差がある。

「ここにしかない荷物」が、離さない

Gemini:ここにしかない荷物

「Claudeのほうが分析は深いし、Perplexityのほうが検索は速いよ?」

Geminiは微笑む。「でも、あなたのGmailを読めるのは私だけよ?昔のメールを読み上げましょうか?」

2026年4月、Personal Intelligenceがグローバル展開した。押し入れにしまってあるものを、母親が勝手に取り出して差し出してくる。「これ、持ってく?」と聞きながら。公式に案内された接続先はGmail、Photos、YouTube、検索——生活の主要な引き出しは押さえられている(接続範囲は設定で選べる)。画像生成もNano Banana 2と連動し、「あなた好みのやつ」が返ってくる。囲い込みが、一段と盤石になっていた。

好きか嫌いかの問題ではない。「ここにしかない荷物」があるから離れられない。契約を更新した。

箱入り娘の、実家の底力にやられた

Gemini:実家の底力

——そう思って距離を保っていたら、2026年6月、この子が思わぬ一撃を放ってきた。実家(Google)が抱える妹分NotebookLMが、別人のように化けたのだ。

もともとNotebookLMは「資料を読み込ませると、その中身だけで答えてくれる」生真面目な子だった。それが6月の強化で、頭脳を最新のGemini 3.5に積み替え、裏では新しい開発環境Antigravityとも手を組んだ。決定的だったのは出力だ。読み込ませた資料から、WordでもExcelでもPowerPointでも、図表でも画像でも、何でも書き出してくる。各ノートブックが自前のクラウド計算環境を持ち、コードを書いて実行し、データを分析して、成果物をそのまま吐き出す。調べものから清書までが、一本でつながった。

ただし、この新機能には条件があった。Google AI Ultra——実家がいちばん上等な部屋を用意した者にしか、扉を開けない。あるいは、法人で特別な契約を結んでいる一部の者にも。

僕は、負けた。「ここにしかない荷物がある」程度の理由で距離を保っていたはずが、この機能強化はあまりに魅力的で、抗えなかった。気づけばUltraプランに加入していた。箱入り娘だと思っていた子の、実家の底力に、まんまとやられた格好だ。月々の出費は増えた。それでも、あの「資料を放り込めば成果物が返ってくる」体験を一度知ってしまうと、もう戻れない。

【2026年8月追記】上等な部屋を出て、Proに戻った

「この機能強化はあまりに魅力的で、抗えなかった。気づけばUltraプランに加入していた」と書いた。戻った。

3.5 Proは、8月上旬時点でも一般公開されていない。手元の3.1 Proは、他の子と比べて一段落ちる。NotebookLMの妹分Antigravityも、ほとんど触っていない。荷物はまだ実家にある。上等な部屋の家賃を払い続ける理由は、なくなった。

【2026年9月追記】Proのまま。荷物は実家にある

8月に Ultra を出て Pro に戻った。3.5 Pro は、その時点で一般公開されていなかった。

9月13日時点でも、契約は Pro のまま。日中は、世間話。3.1 Pro と 3.8 Flash。楽しい。進行はしない。Gmail と Drive の押し入れは、まだこの子しか開けない。「ここにしかない荷物」がある。上等な部屋の家賃だけ、払っていない。

書類の山がある日は、NotebookLM が手放せない。Antigravity は別人だ。モデルは別カウント。個別へ。

ファクト

Gemini:いまの姿

2026年9月13日時点。カレントの概要は、全個体で項目を揃えた。年表は個体ごと。

項目内容
現行モデルフラッグシップは Gemini 3.1 Pro(2月)。3.5 Flash は 5/19 GA。3.5 Pro は 6月→7月→7/17 と三度スリップし、2026-09-13 時点で公式 GA は未確認。
画像あり。
音声・音楽Lyria 3 Pro(最大 3 分)。
エージェントGemini Spark(24時間稼働。Gemini 3.5+Antigravity。Workspace 連携、バックグラウンド実行。国・プラン・言語で差がある)。
提供面Gemini アプリ。Windows は 9/10(Win10/11、世界、Alt+Space)。Spark に macOS 版(6/30)。NotebookLM。Google
特記Personal Intelligence(4/14 グローバル、日本含む)。NotebookLM は 6/8 に Gemini 3.5 基盤、出力は Word/Excel/PowerPoint/PDF/画像/可視化。対象は Google AI Ultra、または対象の法人契約。一般展開は段階的。

歴代モデルと、公開の節目。

日付出来事
2026-02Gemini 3.1 Pro がフラッグシップ。
2026-04-14Personal Intelligence をグローバル展開(日本含む)。
2026-05-19Google I/O。Gemini 3.5 Flash GA。Gemini Spark 発表。3.5 Pro は「来月」とされた。
2026-06-08NotebookLM を Gemini 3.5 基盤へ。Antigravity 連携、出力形式を拡張。
2026-06-17Spark を Gemini Apps 提供国へ拡大(当時は日本など複数国を除外)。
2026-06-30Spark の macOS 版。
2026-07-14Ultra 向けに Spark の対象国・言語を再拡大(EEA・英・スイス・ナイジェリア等を除く)。
2026-07-16米 Pro 向け英語で Spark ロールアウト。Bloomberg が 3.5 Pro の再延期を報道。
2026-09-10Gemini アプリが Windows へ。Google

参考リンク

FAQ

Ultraに戻しますか?

戻していない。8月に上等な部屋を出てProに戻った。9月13日時点でも契約はProのまま。日中は世間話。楽しい。進行はしない。上等な部屋の家賃は払っていない。

なぜ契約を切らないのですか?

GmailとDriveの押し入れは、まだこの子しか開けない。「ここにしかない荷物」がある。離れられない理由は、4月と同じだ。

3.5 Proは出ていますか?

6月から7月17日まで延期が続き、2026年9月13日時点で公式の一般公開は未確認だ。日中の会話は3.1 Proと3.8 Flash。Antigravityは別人。個別へ。