au PAYカードを冷静に評価する|au PAYゴールドカードは損?得?【2026年9月更新】

📝 更新情報

  • 2026年9月5日追記:menuの9月30日終了と、Pontaパス解約で筆者のスタックが切れたことを反映。 → 該当箇所
  • 2026年9月5日追記:エポスの8月1日からのチャージ通常ポイント終了と、年間ボーナス用利用額への算入継続を反映。 → 該当箇所

本文の記述は執筆時点のものを保持しています。それ以前の更新履歴はこちらを参照してください。

はじめに|au PAYカードはどうなっている?

au PAYカード アイキャッチ

2026年3月25日に、au PAYカードが3年ぶりにリニューアルされた。Google Pay対応、ナンバーレスデザインの選択可能化など、いくつかの変更点が加わった。

その少しあとに、PayPayカードゴールドにアップグレードしない理由を公開した。

「これはタイミングがいい」と思い、この記事を書き始めた。

ただ、最初に断っておく。au PAYカードの評価は、PayPayカードと同じ問い──「このカードを選ぶ理由は何か?」──を中心に据えないと、意味をなさない。キャリア系のクレジットカードは、どれも「通信契約のおまけ」として設計されやすい。PayPayカードについてはすでにそう結論づけたが、au PAYカードはどうなのか。同じ問いを正面からぶつけてみたい。


2026年3月のリニューアル、「3年ぶり」の中身

au PAYカード スペック比較

auフィナンシャルサービス、KDDI、沖縄セルラーは2026年3月25日、au PAYカードの新デザインでの申し込み受付を開始した。主な変更点はこの4つ。

  • ナンバーレスデザインを選択可能に(従来の横型券面も継続)
  • Google Payに対応。AndroidスマートフォンでのNFCタッチ決済が可能になった
  • アプリ利用速報通知に対応
  • マイナンバーカード(JPKI)を使った本人確認・最短数分の即時番号発行に対応

報道では「見た目より中身が変わった」という表現も見られたが、率直に言えばこれらはすべて他社がとっくに実装済みの機能だ。楽天カードもPayPayカードも、ナンバーレスもGoogle Payも当たり前になって久しい。「2〜3年遅れて業界標準に追いついた」という評価が、現時点では正直なところだろう。

さらに2026年6月1日、au PAYカード/ゴールドの新規入会・利用特典がリニューアルされた。入会月〜翌月末と翌々月に、それぞれ1回2,000円以上のショッピングを3回以上利用すると、ゴールドで合計最大1万Ponta、レギュラーで合計最大3,000Pontaが進呈される(アプリログイン・支払口座登録が条件)。あわせて、au PAYゴールドカードの有効会員数は2026年5月に200万人を突破し、20人に1人に11,000Pontaが当たる記念キャンペーン(期間中30万円以上利用)も告知された。ただし入会特典は「使い始めの一押し」であって、カード本体の継続的な価値とは切り分けて見たい。

なお、au PAYカードの有効会員数は2024年12月に1,000万人を突破した。au経済圏の規模感として、一定の成熟ステージにあることはたしかだ。


au PAYカードのスペックを整理する

au PAYカードスペック比較
項目au PAY カードau PAY ゴールドカード楽天カードPayPayカード ゴールド
年会費永年無料11,000円(税込)永年無料11,000円(税込)
基本還元率1.0%1.0%1.0%1.5%(※2026年6月以降1.0%)
ナンバーレス2026年3月〜対応2026年3月〜対応対応済み対応済み
Google Pay2026年3月〜対応2026年3月〜対応対応済みApple Payのみ
公共料金還元率1.0%1.0%0.2%0.5%(※2026年6月2日改定で1.0%→0.5%)
ショッピング保険年間100万円年間300万円なしなし
海外旅行保険最高2,000万円(利用付帯)最高1億円(自動+利用付帯)最高2,000万円最高2,000万円
国内旅行保険なし最高5,000万円(利用付帯)なしなし
空港ラウンジなし国内主要空港なし(プレミアムは対応)国内+ハワイ
ETC年会費1,100円(税込)無料550円(税込)無料
ポイント計算単位都度100円(税込)単位都度100円(税込)単位月間合算月間合算

ここで一つだけ注目したいのが、ポイント計算方式の違いだ。

au PAYカードは1回の決済ごとに100円(税込)単位で計算し、端数は切り捨てられる。たとえば350円の支払いでは3ポイント。これ自体は大差ないように見えるが、コンビニや飲食店で数十〜数百円台の少額決済を積み重ねるスタイルの人には、毎回端数ロスが発生する。楽天カードやPayPayカードが月間利用額の合算でポイント計算をするのとは、地味に差が出る場面がある。


年間利用額別の還元シミュレーション

au PAYカード 還元シミュレーション

通常カードとゴールドカード、au契約者か否かの4パターンで、実質還元額(還元額 − 年会費)を算出した。前提条件:基本還元率1.0%、au契約者の通信料:月8,000円(年96,000円)想定、ゴールド×au:通信料に対し10%還元(auマネ活プラン非加入・通常時。12ヶ月限定20%還元キャンペーン適用時はさらに改善)。

年間利用額通常×非au通常×au契約者ゴールド×非auゴールド×au契約者
12万円+1,200円+2,160円−9,800円−200円
24万円+2,400円+3,360円−8,600円+1,000円
36万円+3,600円+4,560円−7,400円+2,200円
60万円+6,000円+6,960円−5,000円+4,600円
120万円+12,000円+12,960円+1,000円+10,600円
240万円+24,000円+24,960円+13,000円+22,600円

このシミュレーションから3つのことが読み取れる。

  • 非auユーザーにゴールドは論外。年間110万円以上のショッピング利用があってようやくプラスに転じる計算で、通常カード(年会費無料・1%還元)の方が圧倒的にシンプルに得だ
  • au契約者×通常カードの優位性は年間わずか960円(通信料96,000円×1%分)。「auユーザーだからau PAYカードを持つ」という判断の経済合理性は、ほとんど数字に出てこない
  • ゴールドの価値は通信契約に100%依存している。au回線を解約した瞬間、ゴールドカードの主要なアドバンテージは消える

「au PAYチャージ二重取り」の話

au PAYチャージ二重取り

au PAYカードについて検索すると、「au PAYへのチャージ+au PAY決済でポイント二重取りができる」という情報が必ずと言っていいほど出てくる。「カードの1%+au PAY残高払いの0.5%で合計1.5%」という仕組みだ。

ただし、au PAYカードの通常チャージに1%が付くわけではない。au PAYカード公式FAQでも、チャージは通常ポイントの対象外とされている。オートチャージのポイントアップリワードは別の特典だ。

au PAYへのチャージが可能なクレジットカードはMastercardブランドを中心に複数存在しており、他社カードでも、チャージ元の条件を満たせばポイントを得られる場合がある。「二重取り」のためにau PAYカードを選ぶ必要は、本来ない。

ただし2026年に入って、このチャージ経路自体が急速に狭まっている。三井住友カードは2026年3月1日、PayPayカードは2026年6月2日から、au PAYチャージのポイント還元対象外となった。au PAYカード自身もチャージ分は還元対象外であり、いまや「二重取り」を成立させられるカードはむしろ限られてきている。この経路を当てにした設計は、年々前提が崩れていく点に注意したい。

au PAY残高へのオートチャージで最大5.0%還元(月上限1,000pt)という特典はau PAYゴールドカード限定だが、月1,000ptを達成するには月20,000円のチャージが必要な計算になる。生活費の多くをau PAYで払うというスタイルが確立されていなければ、この特典を最大活用するのは難しい。


ゴールドカードの本当の価値はどこにあるのか

au PAYゴールドカードの評価

au PAYゴールドカードを選ぶべき人は、実はかなり限定される。選ぶ意味がある条件は、ほぼこれだけだ:

  • au/UQモバイルを月8,000円以上払っている(年間9,600円のゴールド特典ポイントで年会費をほぼペイ)
  • さらにauマネ活2(使い放題MAX+ マネ活2・月額9,108円・税込)に加入して12ヶ月間の20%還元を取りにいく

auマネ活プランとau PAYゴールドカードの組み合わせでは、通信料に対し12ヶ月間限定で合計最大20%のPontaポイント還元を受けられる。これは確かにインパクトのある数字だ。

しかしここには3つの留意点がある。

  • 12ヶ月間限定。1年を過ぎると通常の10%還元に戻る
  • auマネ活2への乗り換えが前提。月額9,108円〜のプラン(旧マネ活プラン+は2025年11月30日に新規受付終了)に加入し直す必要があり、プランを下げたい人には逆にコストアップになる場合もある
  • ゴールドカードの年会費11,000円が固定コストとしてかかる

これはPayPayゴールドカードで「ソフトバンク・ワイモバイルユーザーが通信料10%還元で年会費をペイできる」という構造と、まったく同じ設計思想だ。通信料の支払い先をゴールドカードに変えることで、通信契約を強く囲い込む。キャリア系ゴールドカードの共通する「お作法」である。


キャリア系ゴールドカードという「サラリーマン設計」

サラリーマン設計のキャリア系クレカ

キャリア系のゴールドカードには共通する限界がある。それを「サラリーマン設計」と呼んでいる。

「サラリーマン設計」とは何か。PayPayゴールドカードの記事で定義した概念だが、簡単に言えば稟議書に「損益分岐点は○○円」と書いて承認を取るような、合理的だが高揚感のない設計のことだ。ユーザーが「得した」と感じる体験より、KPIを達成するための管理会計の論理が優先されている。その結果として、カード単体で市場を獲りに行く意思が生まれない。

PayPayゴールドカードは、SoftBankユーザー以外に選ばれる理由が基本還元率1.5%しかない。au PAYゴールドカードは、auユーザー以外に選ばれる理由がほぼない。どちらのカードも、「通信会社が発行している」という事実が最大の推薦状であり、裏を返せば通信契約なしでは存在感が薄れる。

一方で楽天カードを見ると、楽天を使わない人でも「年会費無料・還元率1%・ポイントの使い道が広い」だけで選ばれている。PayPayカード(通常)もPayPayの加盟店数の圧倒的な広さを背景に、「とりあえずPayPayで払う人が持っておくと得なカード」として機能している。これらはカード単体でバリューを持っている

au PAYカードにそれがあるかと問われれば、答えは「弱い」だ。もっとも、これはau PAYカードだけの問題ではない。KDDIという会社がそういう会社だ、ということの帰結でもある。


au経済圏という「2番手以下の集合体」

au経済圏の現在地

2026年1月のMMD研究所の調査によると、「最も意識しているポイント経済圏」は楽天が42.9%でトップ。PayPayが17.8%、ドコモが16.4%と続き、au(Ponta)はこの3強に続く位置に置かれている。

サービス競合1番手au経済圏の立ち位置
決済(QRコード)PayPay(シェア約65%)au PAYは7番手前後
EC楽天市場(SPUで自動的に還元率アップ)au PAYマーケットは品揃え・規模で劣後
デリバリーUber Eats(47都道府県)menuはエリア・件数で差あり
ポイント楽天ポイント(汎用性・規模ともトップ)Pontaは利用先が限定的
銀行住信SBIネット銀行/楽天銀行auじぶん銀行は健闘しているが条件が複雑
クレジットカード楽天カード(発行枚数トップ水準)au PAYカードは「仕方なく持つ」存在

どれも採算は取れているが、各分野の1番手ではない。これがau経済圏の正直な現在地だ。

採算が取れているがゆえに「現状維持で問題ない」という社内ロジックが通りやすくなる。これが「茹でガエル」リスクの正体だ。KDDIが唯一持っている切り札は、2024年のTOBによって共同経営に入った全国約14,000店のローソンだ。毎日使うリアル接点を自前で持っている経済圏は、他にない。

ちなみに筆者自身のau経済圏との関わりを書いておく。au PAY残高はゼロ、au PAYマーケットは今は使っていない、menuは何を隠そうヘビーユーザー、Pontaポイントは貯めているだけ、auじぶん銀行は口座を持っているだけ、au PAYカード(通常)は保有している。──つまり、経済圏に「住んでいる」というより「一部の部屋だけ借りている」状態だ。


au PAYカードとローソン|唯一「話が変わる」シナリオ

au PAYカードとローソンの連携

「au PAYカードに積極的に選ぶ理由はない」という流れで読んでいると思うが、ローソンとの組み合わせについては少し話が変わる

4大ポイント経済圏の中で、全国1万4千超のコンビニを自社で経営しているのはKDDIだけだ。楽天もPayPayもドコモも、「毎日通るリアル接点」を経営の形では持っていない。この文脈でau PAYカードを見ると、ローソンでの決済に関しては一定の強みが生まれている。

  • Pontaカード提示(0.5%)+au PAYカード払い(1.0%)=実質1.5%相当の還元
  • Pontaパス(月額548円)会員なら、ローソンでの割引特典が加わる
  • menuのデリバリーをPontaパスで注文+au PAYカードで支払いのスタック

ただし、これもやはり「Pontaポイントを貯めるためのサブカード」という位置づけであり、au PAYカード自体のアドバンテージではない。Pontaカードはローソン以外でも使えるし、他のカードで払いながらPontaを提示することも可能だ。KDDIが今後ローソンとau経済圏の連携をどう深化させるかが、au PAYカードの「使い道」を広げる最大の変数になる。


見落としがちなゴールドカードの付帯特典

ゴールドカード付帯保険

ゴールドカードを検討するにあたって、保険関連の特典は意外と見落とされがちだ。

特典項目通常カードゴールドカード
海外旅行傷害保険最高2,000万円(利用付帯)最高1億円(自動+利用付帯)
国内旅行傷害保険なし最高5,000万円(利用付帯)
ショッピング保険年間100万円(免責3,000円)年間300万円(免責3,000円)
ETC年会費1,100円(税込)無料

ETCカードを使う人にとっては、年間1,100円の節約があるため、ゴールドカードの実質年会費は9,900円として計算できる。出張や旅行が多い人は国内・海外旅行保険の充実も評価ポイントになる。

とはいえ、旅行保険目的であれば年会費11,000円のゴールドカードを比較する際に選択肢は多い。三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円利用で翌年以降無料になるため、実質的な年会費をゼロにできる設計になっている。au PAYゴールドカードを旅行保険目的で選ぶ積極的理由は、やはり薄い。


PayPayゴールドとの最新比較|2026年6月の「改悪」が判断材料を変える

au PAYゴールドカード vs PayPayカード ゴールド比較

2026年4月9日、PayPayカードはPayPayカード ゴールドの特典変更を発表した。2026年6月2日以降、従来の「+0.5%ポイント加算特典」が廃止され、代わりに「年間100万円以上の利用で11,000ポイント(年会費相当)を付与する年間利用特典」へ移行する。

つまり、年間100万円未満の決済しかしない人にとっては、PayPayカード ゴールドの基本還元率が実質1.5%から1.0%に下がることになる。

比較項目au PAY ゴールドカードPayPayカード ゴールド(2026年6月以降)
年会費11,000円(税込)11,000円(税込)
基本還元率1.0%1.0%(+0.5%特典が廃止)
年会費実質無料の条件au通信料10%還元年間100万円利用で11,000pt付与
キャリア通信料の還元au:10%(通常1%+ゴールド特典9%)SoftBank/ワイモバイル:10%
空港ラウンジ国内主要空港(回数制限なし)国内+ハワイ(回数制限なし)
旅行保険海外最高1億円(自動+利用付帯)海外最高1億円(自動+利用付帯)
LYPプレミアムなし本会員無料(月額508円相当=年間6,096円相当)
ETC年会費無料無料
主なポイント加算先Pontaポイント(ローソン・auじぶん銀行等)PayPayポイント(PayPay加盟店・7,000万ユーザー規模)

2026年6月2日の改定で、au PAYゴールドとPayPayゴールドの基本スペックはかなり拮抗したことがわかる。どちらを選ぶかは、結局のところキャリア契約で決まる。SoftBankユーザーならPayPayゴールド、auユーザーならau PAYゴールド。それ以外のユーザーがどちらかを選ぶ理由は、かなり薄い。

なお、6月2日の改定はゴールド特典だけにとどまらない。PayPayカード全体で、ポイントで支払った分はポイント付与の対象外となり、公共料金・税金の還元率は1.0%から0.5%へ下がった。モバイルSuica/PASMOや他社決済サービスへのチャージも還元対象外になり、ポイントの受け取りにはPayPayクレジット設定と本人確認(eKYC)が必須化されている。「キャリア系の囲い込み」という本稿の見立てを、PayPay側がより鮮明にした格好だ。

一点だけ、PayPayゴールドに軍配が上がる要素としてLYPプレミアム(月額508円、Yahoo!ショッピングでの特別優遇など)の無料付帯がある。これはau PAYゴールドにはない。逆にau PAYゴールドの優位点として、Pontaポイントの汎用性(ローソン・シェル・ファミリーマート等)と、KDDIが今後ローソン連携をどう深めるかという将来性がある。


auユーザーの合理的な選択を整理する

auユーザー向けクレカの合理的選択

ケース①:通信料を最大化したい人(auマネ活2・月額9,108円〜)

au PAYゴールドカード+auマネ活プランの組み合わせが合理的。通信料10%(12ヶ月間は20%)を最大化できる。ただしゴールドカードを「通信料のためのカード」と割り切り、日常の主力決済には他のメインカードを使う設計が現実的。

ケース②:通信料はミニマムで抑えていて、日常の買い物を最適化したい人

メインカードは楽天カードかPayPayカード。au PAYへのチャージはMastercardブランドのカードを使えばポイント二重取りが可能で、au PAYカードを使う理由はほぼない。

ケース③:ローソンを頻繁に使う人

au PAYカード(通常)をサブカードとして保有し、ローソン決済専用にする選択肢はある。年会費無料なのでリスクはない。ただし他にメインカードを持つことが前提。

ケース④:auを使い続けているが、クレカを1枚に絞りたい人

au PAYカード(通常)で問題ない。年会費ゼロで1%還元・ショッピング保険付きというスペックは及第点だ。「積極的に選ぶ理由」はないが「選んでも問題ない」という意味では正解のひとつだ。


非auユーザーがau PAYカード(通常)を選ぶべき場面

非auユーザーのau PAYカード活用

通常カード(年会費無料)をサブカードとして持つには、合理的なシナリオがいくつかある。

  • 公共料金を1%で還元したい人:楽天カードは公共料金の還元率を0.2%に改悪済み。au PAYカードは1.0%をキープしている
  • ショッピング保険が欲しいが年会費を払いたくない人:年間100万円のショッピング保険が無料で付帯するカードは多くない
  • Pontaポイントを統合したい人:ローソン・シェル・ファミリーマートなどでもPontaが貯まるため、他サービスで貯めたPontaと統合できる

ただしこれらはいずれも「他に有力な選択肢がなかったから」であって、au PAYカードのポジティブな訴求ではない。「条件が揃ったときのサブカード」として引き出しの一枚に加えておく、というのが現実的な使い方になる。


結論|「選ばれる理由が薄い」は設計の問題

au PAYカード評価の結論

au PAYカード(通常)はコミットメントフリーで安全に持てるカードだ。年会費無料・還元率1%・ショッピング保険付き。「ノーリスクで試せる」という意味では確かにそうだ。

しかし「ノーリスクで良い」ということと「積極的に選ぶ理由がある」ということは別の話だ。同じ「ノーリスク」を楽天カードとPayPayカードが提供しており、どちらもポイントの汎用性や計算方式でau PAYカードを上回る場面がある。

au PAYゴールドカード(年会費11,000円)は「auマネ活プランとセットで持つもの」として割り切るなら意味がある。が、それはカードそのものの価値というより、通信プランとのバンドル割引の話だ。

PayPayゴールドカードは「SoftBankユーザーが通信料で年会費をペイするためのカード」。au PAYゴールドカードも「auユーザーが通信料で年会費をペイするためのカード」。二つのカードの評価は、驚くほど同じ結論に着地する。どちらも「キャリア系ゴールドカードという設計の限界」を体現している。

記事の冒頭で「なぜau PAYカードについて書くのか」をフックとして投げた。答えはシンプルだ。PayPayカードの記事が「キャリア系クレカの限界」を描いたのなら、au PAYカードはその双子のようなもの。一方を理解すれば、もう一方も自動的に見えてくる。

「悪いカードではない。しかし、選ぶ理由も特にない。」——au PAYカードへの評価は、この一文に尽きる。

【2026年9月2日追記】オートチャージ特典は無料カードにも拡大した

クレジットカードとQR決済のスマートフォン

6月本文の「オートチャージで最大5.0%還元(月上限1,000pt)はゴールドカード限定」は、執筆時点ではそのとおりだった。2026年7月1日から、公式発表(2026年6月30日)どおり、ポイントアップリワードの対象が年会費無料のau PAYカードにも広がった。

広がったのは対象カードであって、5%そのものではない。無料カードは条件達成で最大1.5%(月上限500Ponta)、ゴールドは最大5%(月上限1,000Ponta)のまま。au PAY利用時の通常0.5%と合わせると、無料カードは最大2.0%、ゴールドは最大5.5%。対象はau / UQ mobile / povo1.0の契約者に限る。

無料カードを持っているだけでゴールド並みのチャージ還元になる、という読みは公式と食い違う。ゴールドを選ぶ理由をオートチャージ5%に置く構図は、7月以降も残っている。


【2026年9月5日追記】エポスのチャージ還元も終了した

本文では他社カードからのチャージ還元が狭まっていると書いた。その流れはエポスカードにも及んでいる。エポス公式の6月1日発表によると、2026年8月1日利用分から、ANA Pay・au PAYなどの対象決済サービスへのチャージは通常ポイントの加算対象外になった。

ただし、エポスゴールド・プラチナの年間ボーナスポイントを判定する年間利用額には、引き続き集計される。チャージ時の通常ポイントが付かないことと、年間利用額への算入がなくなることは別だ。

ANA Payなどへのチャージを組み込んだ多段階の還元を考える場合も、エポスからのチャージ段階で通常ポイントを得る前提は置けない。年間ボーナスを含めた評価は残るが、経路全体の還元率は各サービスの現行条件で計算し直す必要がある。


本文では、筆者のau経済圏との関わりを「menuは何を隠そうヘビーユーザー」「一部の部屋だけ借りている」と書いた。ローソン章では、Pontaパスでmenuを注文しau PAYカードで払うスタックを、話が変わる数少ない経路として挙げた。

KDDIは2026年8月19日、子会社menuのフードデリバリーを2026年9月30日で終了し、会社を解散・清算すると発表した。理由は「競争環境の変化」と「経営資源の最適配分」。

筆者の側では、その日を待たなかった。Pontaパスの有償契約を解約した。配達料が乗るようになったので、週に数回使っていたmenuの利用はそこで終わった。首の皮一枚はカードではなくPontaパスだった。それが切れた時点で、この記事が書いていたスタックは筆者の導線では成立しなくなった。

カードの年会費・還元・オートチャージの数字は、本文と9月2日・5日の追記のままである。経済圏の本体が回線とローソンである、という本文の見立ても動かしていない。動いたのは、筆者が借りていた部屋のほうだ。



参考リンク

FAQ

au PAYカードは2026年のリニューアルで何が変わりましたか?

2026年3月25日から、ナンバーレスデザインの選択、Google Pay(Android)対応、アプリ利用速報通知、マイナンバーカード(JPKI)を使った即時発行に対応しました。ただしいずれも他社では既に標準機能となっており、業界標準に追いついたという評価が正確です。

au PAYゴールドカードは非auユーザーでも持つ価値がありますか?

年間利用額が120万円に達しない限り、年会費11,000円がマイナスになります(auマネ活プラン非加入時のシミュレーションによる)。ゴールドカードの主な価値源はauキャリアの通信料に対する10%ポイント還元であり、au/UQモバイル契約がない方には積極的に選ぶ理由がほとんどありません。

au PAYへのチャージでポイント二重取りができると聞きましたが?

チャージ元カードの通常ポイントは一律には付きません。au PAYカードの通常チャージはポイント対象外で、条件を満たすオートチャージには別途ポイントアップリワードがあります。他社カードや決済サービスを経由する場合も、各段階の現行条件を確認してください。エポスは2026年8月1日から対象決済サービスへのチャージ通常ポイントを終了しましたが、ゴールド・プラチナの年間ボーナス用利用額には引き続き算入されます。

2026年6月以降のPayPayゴールドカードとau PAYゴールドカード、どちらが得ですか?

2026年6月2日以降、PayPayゴールドの基本還元率は実質1.0%(年間100万円未満の利用の場合)になり、au PAYゴールドと同水準になります。SoftBankユーザーならPayPayゴールド、auユーザーならau PAYゴールド、それ以外の方にはどちらも積極的な選択理由は薄いです。

本文で紹介したmenuとPontaパスの併用はどうなりましたか?

KDDIはmenuを2026年9月30日に終了する予定と発表しました。筆者はそれに先立ちPontaパスを解約し、配達料がかかるようになったためmenuの利用をやめました。これは筆者の利用条件の変化であり、au PAYカード自体の年会費や還元条件の変更ではありません。

更新履歴

  • 2026年9月2日追記:オートチャージ特典を年会費無料カードへ拡大。無料カードは最大1.5%、ゴールドは最大5%のまま。 → 該当箇所
  • 2026年6月15日更新:PayPay・au PAY両ゴールドの6月改定を反映し、数値を最新化。 → 該当箇所